仮名口座のお金をどのように作ったのかについて、社長が話し始めました。
材料の仕入取引で操作していたみたいです。
●税務署
「具体的にどのようにしてお金を作ったか話してください」
▲納税者
「わかったよ」
●税務署
「材料を仕入れたときに通常の仕入金額に上乗せしてたの?」
▲納税者
「ん~ そうでもない」
●税務署
「社長・・・」
▲納税者
「わかったよ」
「返品」
●税務署
「返品?」
「材料の返品分を抜いたのか?」
▲納税者
「うん」
おおよその手口は、次のようです。
まず、会社は材料の発注をします。
当然、納品書が材料と一緒に添付され、その後に請求書が送られてきます。
この請求書に対して材料業者に支払をします。
ここまでは、通常の取引です。
会社の手元には、材料業者からの納品書と請求書、そして支払の記録(現金・小切手・手形払いであれば領収書、振込みであれば振込みの控)があり、証憑書類は完備されています。
この後に、会社は材料業者に仕入れた材料の一部の返品をします。
そして、この返品をしたことを会社は表に出さず隠すのです。
材料業者からは、この返品の代金をコッソリと現金でもらって裏金の口座にプールしておくのです。
こうすると、材料の仕入にかかる証拠資料は完璧ですから、仕入だけの税務調査ではなかなか分からないわけです。
会社の経理処理は、材料の返品の処理が何もなされていないのですから、その分材料費が多く計上され、税金は少なくなっています。
脱税です。これは大変なことです。
さて、これからどうなるのでしょうか?・・・
To be continued
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