調査も大詰めとなってきました。
調査官が「なんか良い解決策はないですかね」と言ってきました。
「売上計上漏れの推計だけでは、やはりちょっと弱い」
「これを材料に何か他のものでも税金を取れないものか」
といった感じでしょうか。
■会計事務所
「ん~困りましたね。納税者は売上計上漏れはそんなにないと言っているし、税務署はこんなに漏れていると言っているし」
「では、折衷案としてこれくらいの売上計上漏れということでいかがですか」と言って具体的な金額を提示する。
●税務署
「そうですか、仕方ないですね」
「では先生それで修正お願いできますか」
と、話は早い。
■会計事務所
「社長、よろしいですか」
▲納税者
「いや~。それで済むなら是非お願いします」
と、「もう早く終わってくれ」といった感じです。
■会計事務所
「では、これで修正申告を出します」
●税務署
「分かりました。宜しくお願いします。」
ということで、これでおしまいです。
おそばの売上がいくら漏れているかは、漏らした本人にしか分かりません。
1年間でいくら漏れているのかを把握するのは至難の業です。
ですから、税務署としても推計によって売上計上漏れを計算するしかないのです。
そして最後は、その推計の売上計上漏れを土台に納税者と会計事務所との話し合いとなったわけです。
その後、不正防止の対策を徐々に始めたところ、店長の不正がやはり表に出てきました。
現金商売で、従業員に任せきりにしておくと、私の経験ではかなり高い確率で不正は行われています。
不正が税務調査で見つかることもかなりあります。
現金商売の場合は、税金対策以上に不正対策が重要であると思います。
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