☆質問
「新聞に三菱東京UFJフィナンシャルグループが、10年ぶりの法人税納税とありましたが、10年間も法人税を払わないなんてありえるのですか?」
★回答
「ありえます」
「欠損金の繰越控除という制度によるものです」
☆質問
「欠損金の繰越控除ってどのような制度ですか?」
★回答
「法人で欠損金が生じた場合、その翌年度以降にその欠損金を繰越して、翌年度以降の利益と相殺できる制度です」
☆質問
「例えば、100の欠損金が出て、翌年度60の利益が出ても、その60は100の欠損金と相殺されて、納税が不要ということですね?」
★回答
「そのとおりです」
「60の利益と相殺された残り40の欠損金は、更に翌々年度に繰越されます」
☆質問
「翌々年度に50の利益が出たとすると、繰越された欠損金40は利益とすべて相殺され、その年度では残りの利益10に対して納税が生じるということですね?」
★回答
「そのとおりです」
☆質問
「欠損金の繰越は、何年間できるのですか?」
★回答
「7年間繰越すことができます」
☆質問
「欠損金を7年間繰越しても、その間にそれ以上の利益が出ず、相殺し切れなかった欠損金はどうなるのですか?」
★回答
「切捨てになります」
「つまり、7年以上は繰越すことができないで、欠損金は切り捨てになるということです」
☆質問
「三菱東京UFJは、10年間納税がなかったということですが、どのようなことが考えられるのですか?」
★回答
「バブルが崩壊して20年ですが、バブル崩壊で多額の不良債権を抱え、やっと10年目くらいで欠損金がやっと消えて納税したけれども、不良債権はその後も雨後のたけのこのように出て、それらは欠損金として繰越されてきて、やっと今年の3月期決算で利益が繰越欠損金を上回ったというところでしょう」
☆質問
「なるほど、よく分かりました」
「しかし、日本を代表するメガバンクが10年も納税していないとは・・・・」
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