週刊節税教室

平成23年税制改正 - 相続税基礎控除

相続税
第398号 2011/5/2

☆質問

「平成23年度の税制改正はどうなっているのですか?」

★回答

「東日本大震災の影響で税制改正法案の審議どころではなくなり、6月に法案の審議がなされることになっています」

☆質問

「相続税の改正も気になるとことです」

「改正案では、基礎控除も見直されるとかありましたよね?」

★回答

「そうです」

「5,000万円に法定相続人1人当たり1,000万円加算した額が、相続税の基礎控除です」

☆質問

「これが改正案では?」

★回答

「3,000万円に法定相続人1人当たり600万円加算した額が、相続税の基礎控除となります」

☆質問

「だいぶ少なくなりますね?」

「私の家族は、両親と私の兄と妹の3人ですから、かなり影響があるということですよね?」

★回答

「そうです」

「5,000万円+1,000万円×4人=9,000万円の基礎控除が、3,000万円+600万円×4人=5,400万円になってしまいます」

☆質問

「私のケースですと、相続財産が8,000万円あるとすると、基礎控除が9,000万円の場合は、相続税の申告すらしなくてもよいのに、改正案によると、相続財産が5,400万円の基礎控除を上回ってしまうため、相続税の申告と納税が必要になるということですね?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「以前、養子縁組して基礎控除を増やすといった節税策が流行りましたが、改正案ではその効果も薄くなりましたね」

★回答

「そうですね」

「養子で相続人を一人増やしても基礎控除だけ見れば、600万円しか増えませんからね」

☆質問

「改正案が実際に可決され施行されると、いつの相続から改正相続税法は適用されるのですか?」

★回答

「改正案では平成23年4月1日以後の相続から適用されると書いてあります」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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