週刊節税教室

不動産を会社に移す

法人税・所得税
第386号 2010/6/30

☆質問

「私はサラリーマンですが個人で不動産経営もしています」

「給与が年額2,000万円あり、それに不動産所得が上乗せになるため税金が大変です」

「そこで、法人を設立して個人で所有している不動産をその法人に移すことを計画しています」

★回答

「なるほど、そうすれば確かに不動産経営を個人から分離することができますね」

☆質問

「そこで、不動産を法人に移す方法なのですけれども、私の不動産を現物出資するのはどうですか?」

★回答

「現物出資は税法上、時価で譲渡したものとみなされて譲渡所得の対象となります」

☆質問

「不動産の取得価額と現在の時価が同じくらいであれば、譲渡所得税がたくさんかかるということはないですね?」

★回答

「そうですね」

「ただし、会社の資本金等の額が不動産の時価の額となりますから、かなり高額となります」

「法人住民税の均等割りの税額が高くなりますね」

☆質問

「なるほど」

「そうしたら、私が会社に不動産の購入資金を貸し付けて、その資金で私から不動産を購入するのはどうですか?」

★回答

「現実的な方法ですね」

☆質問

「私が会社に貸し付けた資金は、会社からまた私に戻ってきますから、実質資金負担はないわけですね」

★回答

「そうです」

「会社への貸付金だけが残ります」

☆質問

「毎月、会社の不動産収入から返済してもらうわけですね?」

★回答

「そうなります」

☆質問

「よく分かりました」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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