☆質問
「前回は、土地の取得を促進するために平成21年~22年の間に取得した土地等を5年を超えて譲渡した場合、譲渡益から1,000万円を控除するというものでした」
「土地取得促進税制としてもう1つ特例があると聞いたのですけれど?」
★回答
「先行取得土地等の特例という制度です」
☆質問
「どのような制度ですか?」
★回答
「平成21年1月1日から平成22年12月31日までに土地等を取得して、取得日を含む年度の終了日後10年以内に所有する他の土地等を譲渡した場合、譲渡益の80%(平成22年取得は60%)相当について圧縮記帳という手続により課税を繰延べるという制度です」
☆質問
「圧縮記帳により課税を繰延べるということは、どういうことですか?」
★回答
「例えば平成21年に5,000万円の土地を取得したとします」
「そして、以前から所有していた別の土地を数年後に譲渡して4,000万円の譲渡益が出たとします」
「この譲渡益4,000万円の80%である3,200万円を譲渡益から控除するとともに、平成21年に取得した土地の取得価格5,000万円からも控除します」
☆質問
「すると、土地の譲渡益は4,000万円-3,200万円で800万円になります」
★回答
「そうです」
「21年に取得した土地の取得価格も5,000万円-3,200万円で1,800万円になります」
☆質問
「なるほど」
「譲渡益が3,200万円減額されて税金が安くなるのは分かりますが、21年に取得した土地の取得価格を3,200万円減額する意味が分かりません」
★回答
「それを説明します」
「21年に取得した土地を将来5,000万円で譲渡するとします」
「5,000万円で譲渡すると、取得価格は減額されて1,800万円になっているので、譲渡益は5,000万円-1,800万円の3,200万円計上されます」
☆質問
「取得価格が減額されてなければ5,000万円で取得したものを5,000万円で譲渡したわけですから、譲渡益生じないわけですよね?」
★回答
「そうです」
「以前から所有していた土地の譲渡益から減額された3,200万円が、21年に取得した土地の取得価格から控除されることにより、その土地を将来売却したときに譲渡益が計上されて課税される仕組みなのです」
☆質問
「つまり、それにより21年に取得した土地を売却するまで課税が繰延べられるということですね?」
★回答
「そのとおりです」
☆質問
「よく分かりました」
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