週刊節税教室

長期所有土地等の1,000万円特別控除

法人税、所得税
第368号 2009/8/4

☆質問

「土地の需要を喚起する税制ができたと聞きました」

「1,000万円が控除できるとか?」

★回答

「長期所有土地等の1,000万円特別控除という制度です」

「個人及び法人が平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した土地等を、5年を超えて譲渡した場合に、譲渡益から1,000万円を控除することができる制度です」

☆質問

「つまり、今年か来年に土地等を購入して、5年後以降にその土地等を売却することによって1,000万円までの利益が出ても税金を払わなくて済むということですね?」

★回答

「そうです」

☆質問

「確かに地価は今が底値でしょうから、今買って10年後にでも売却すれば、地価の値上がりにより売却益が出るかもしれませんね」

★回答

「それで1,000万円まで儲かっても税金はタダだから、土地を今買いましょう!という趣旨の税制です」

☆質問

「土地は誰からでも買ってよいのですか?」

★回答

「配偶者などの身内から買ったような場合は適用できません」

「相続や贈与による取得も対象となりません」

☆質問

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円控除と併用できますか?」

★回答

「できません」

☆質問

「所有期間が5年超ということですが、いつまで譲渡しなければならないといった制限はないのですか?」

★回答

「ありません」

「20年後でも30年後でもOKです」

☆質問

「この制度を適用するためにはどうしたらよいのですか?」

★回答

「個人の場合は、確定申告書にこの制度の適用を受ける旨を記載し、平成21年・22年に取得したことを証明する売買契約書や登記事項証明書などの添付が必要になります」

☆質問

「法人の場合はどうですか?」

★回答

「確定申告書に1,000万円を損金の額に算入する記載があり、かつその計

算明細書の添付が必要になります」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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