週刊節税教室

欠損金の繰戻還付

法人税
第364号 2009/6/5

☆質問

「この経済情勢で注文が激減しました」

「4月決算ですが大赤字になりそうです」

★回答

「そうですか」

「この経済情勢では仕方ないかもしれません」

☆質問

「この決算で生じた欠損金は、翌年以降に繰越して、将来の利益と相殺できるのですよね?」

★回答

「そのとおりです」

「欠損金の繰越控除という制度で、最長7年間繰越せます」

☆質問

「しかし、この先いつ利益が出るか分かりません」

「前期は業績もかなり好調で多額の納税をしたのですが、その税金を取り戻すことはできないのですか?」

★回答

「できます」

「今期が赤字で前期が黒字の場合、前期に納税した税金の内、今期の赤字相当額分を還付してもらえます」

☆質問

「そうなんですか?」

「何という制度ですか?」

★回答

「欠損金の繰戻し還付という制度です」

☆質問

「私の会社も適用できますか?」

★回答

「資本金が1億円以下の中小企業者等であれば適用できます」

☆質問

「どのくらい税金が戻ってくるのですか?」

★回答

「前期に支払った法人税に、前期の所得金額に対する今期の欠損金額の割合を乗じた額だけ還付されます」

☆質問

「なるほど」

「では、早速やってみます」

★回答

「しかし、還付金額が多くなると税務調査があるので注意してください」

☆質問

「へ~ 税務調査ですか?」

「簡単には税金を返してくれないのですね・・・」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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