週刊節税教室

ペットの葬儀・供養と税金

法人税
第346号 2008/11/14

☆質問

「犬や猫などのペットの社会的な地位が高くなりました」

「ペットが天国に行ってしまった場合、以前なら保健所に電話をして、なきがらを引き取ってもらったものですが、今ではペットの葬儀・供養が行われているようです」

★回答

「そのようですね」

「もう家族の一員です」

「ところで、ペットの葬儀・供養に関する税金の扱いで最高裁から判決が出ました」

☆質問

「どのような判決ですか?」

★回答

「宗教法人が行っていたペットの葬儀・供養に対する判決です」

☆質問

「通常の株式会社がペットの葬儀・供養をしていたら、当然にその利益に対して法人税がかかりますよね?」

★回答

「そのとおりです」

「しかし、宗教法人が行う宗教行為に対しては法人税は課税されません」

☆質問

「ということは、ペットの葬儀・供養が宗教行為であれば法人税は課税されないということですね?」

★回答

「そのとおりです」

「宗教法人が法人税を課税されるのは、法人税法で定められている収益事業を営んだ場合だけです」

☆質問

「そうすると、宗教法人が行うペットの葬儀・供養が宗教行為であるか、税法で定められた収益事業になるか、ということが争点となりますね?」

★回答

「そうです」

☆質問

「結果はどうだったんですか?」

★回答

「宗教法人の敗訴です」

「ペットの葬儀・供養は、法人税法で定める収益事業の内、物品販売業、倉庫業、請負業に該当するとされました」

☆質問

「物品販売業ですか・・・」

★回答

「塔婆、位はい、墓石等を販売するから物品販売業ということです」

☆質問

「倉庫業は?」

★回答

「墓地や納骨堂の利用料を徴収することから倉庫業ということです」

☆質問

「請負業は?」

★回答

「死亡したペットの引取り、葬儀、火葬、埋蔵、納骨、法要等のサービスが請負業ということです」

☆質問

「なるほど、ペットの葬儀・供養は一見すると宗教行為そのもののようですが、違った見方をするとこのように収益事業として当てはまるのですね?」

★回答

「そうなんです、微妙ですよね・・・」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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