週刊節税教室

地方法人特別税

法人税・その他
第341号 2008/10/1

☆質問

「前回のふるさと納税は、ふるさとへの寄付を通じた個人住民税の地方への再分配というものでした」

「法人地方税でも地方への税金の再分配のような仕組みはあるのですか?」

★回答

「平成20年度の税制改正でできました」

☆質問

「どのような仕組みですか?」

★回答

「法人地方税には、法人住民税と法人事業税の2つがあります」

☆質問

「確か、法人住民税は法人の損金にならない扱いで、法人事業税は法人の損金になる扱いでしたね?」

★回答

「そのとおりです」

「この法人事業税に改正がありました」

☆質問

「どのような改正ですか?」

★回答

「法人事業税が法人事業税と地方法人特別税の2つに分かれました」

☆質問

「ということは税額が増えるのですか?」

★回答

「いいえ、法人事業税と地方法人特別税の合計額は、改正前の法人事業税の額より増えることはありません」

☆質問

「あーよかった」

★回答

「法人事業税の税率が引き下げられました」

「そして計算された法人事業税に地方法人特別税の税率を掛けて地方法人特別税を計算します」

☆質問

「なるほど」

「地方法人特別税は、どのように地方に再配分されるのですか?」

★回答

「地方法人特別税は事業税と一緒に納税されますが、扱いは国税となります」

「そして、国が地方法人特別税の半分を各都道府県の人口で按分し、残り半分を各都道府県の事業所統計に基づいた従業者数で按分して、地方法人特別譲与税として地方に再配分されるのです」

☆質問

「ところで地方法人特別税は、法人事業税と同じく法人の損金になりますよね?」

★回答

「なります」

「法人税での扱いは同じです」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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