週刊節税教室

負担付贈与(3)

所得税・贈与税
第328号 2008/6/10

☆質問

「負担付贈与に関してだいぶ分かるようになりました」

★回答

「そうですか」

☆質問

「この制度は過去に大きく改正があったということですが?」

★回答

「そうなんです」

「改正前は、負担付贈与の贈与税を計算する場合の金額は相続税評

価額でした」

「バブル期では、時価と相続税評価額との間で価格差があり、時価1億

円の土地の相続税評価額は7千万円というようなこともありました」

「すると、相続税評価額が7千万円の土地を同額の7千万円の借金を付

けて贈与すると、贈与税はゼロになります」

「しかし、実際は、1億円の価値ある土地を7千万円の借金を肩代わりす

ることにより取得できてしまうことになります」

「つまり、1億円の土地を7千万円で購入したのと同じ効果があるわけで

す」

☆質問

「なるほど、よく分かりました」

「それで、負担付贈与の場合、不動産については相続税評価額ではな

くて、時価を贈与税計算の対象としたのですね?」

★回答

「そのとおりです」

「不動産及び上場株式が時価での計算となったのです」

☆質問

「ということは、不動産や上場株式以外の財産で、今でも時価と相続税

評価額との価格差があるものについては、負担付贈与によれば節税メ

リットがあるということですね?」

★回答

「そのとおりです」

「たとえば、ゴルフ会員権の相続税評価額は時価の70%ですから利用

できるわけです」

「時価1億円のゴルフ会員権の相続税評価額は7,000万円で、7千万円

の借金を付けて贈与すれば贈与税はゼロになります」

☆質問

「時価1億円の会員権を7千万円で手に入れたということですね?」

★回答

「そのとおりです」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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