週刊節税教室

自社株を身内に譲渡する

相続税・贈与税
第321号 2008/4/8

☆質問

「私は中小企業を経営しています」

「業績は好調で、自社株の評価をしてもらったところ1株1万円でした」

「このままでは株価は上がり続け、将来の相続税が心配です」

「今のうちから妻や子供に自社株を移そうと思いますがどうしたらよい

ですか?」

★回答

「まず贈与税の基礎控除(110万円)の範囲内で贈与することが考え

られます」

☆質問

「でも、それでは多くの株数を妻や子供に移せません」

★回答

「なるほど、一度に多くの株式を移したいということですね」

「そしたら自社株を子供や奥さんに譲渡したらどうですか」

☆質問

「売買するということですね?」

★回答

「そうです」

☆質問

「その場合、1株1万円で売買することになるのですか?」

★回答

「いいえ、1万円以下でも構いませんが、税金の扱いが違ってきます」

☆質問

「私は、自社株を1,000円で取得しましたので、1万円で売れば差額の

9,000円に対して20%の税金がかかるのですよね?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「1株を7,000円で売った場合は、取得価額1,000円との差額に20%の

税金がかかるだけではないのですか?」

★回答

「違います」

「1万円と7,000円との差額である3,000円をあなたから子供たちに贈与

したことになり、子供たちが贈与税を支払うことになります」

☆質問

「は~ そうなるのですね」

「そうすると、自社株1株当たりの単価をいくらにするかによって、全体

の税金の額が違ってきますね?」

★回答

「そのとおりです」

「良い所に気が付きましたね」

「来週は、具体的にそこを検討してみましょう」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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