☆質問
「前回は、時効期間が経過している商品代金の未払いについての話
でした」
★回答
「そうでしたね」
「時効期間が経過した場合の債務者の対応としては、時効の援用と
時効の利益の放棄があるということでしたね」
☆質問
「時効の援用は、もう支払いませんということで、時効の利益の放棄
は、まだ支払います、ということでした」
「ところで、前回は債務者側の扱いを説明してもらいましたが、債権
者側の扱いはどうなるのですか?」
★回答
「なるほど」
「債権者側では、時効にかかった債権が貸倒損失として処理できるか
どうかということが問題となります」
☆質問
「債務者側では、債務免除益という益金計上の問題でしたが、債権者
側では、貸倒損失という損金計上の問題ということですね?」
★回答
「そのとおりです」
☆質問
「債務者が時効の利益を放棄をしたら、債権者にとってはまだ所有す
る債権が回収可能であるということですから、貸倒損失を計上すること
はできませんね?」
★回答
「そういうことになるでしょう」
☆質問
「一方、債務者が時効の援用をして、もう支払わないという意思表示を
した場合には、債権者は債権が回収不能として貸倒損失を計上するこ
とができますね?」
★回答
「法律上は債権が回収不能となったわけですから、自動的に貸倒損失
が計上できると思うかもしれませんが、なぜそのような事態になったの
かということが税務上は重要になります。」
☆質問
「時効になって回収不能になった理由ですか?」
★回答
「そうです」
「時効の進行を停止させたり、中断させるなどの回収努力もせずに、時
効になった場合には、債権者が債務者にお金をただであげてしまった
とみなされて、貸倒損失ではなくて寄附金とみなされることもあるのです」
☆質問
「へ~ 税務ではそんなふうに考えるのですね?」
★回答
「特に親子会社間や関係会社間で、そのような取引をすると寄附金では
ないかと疑われやすいのです」
☆質問
「寄附金とされたら、損金算入限度額があるから節税になりませんね?」
★回答
「そのとおりです」
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