週刊節税教室

公益法人税制の改正(3)

法人税・所得税・相続税
第312号 2008/1/28

☆質問

「先週に引き続き公益法人に対する税制改正の内容について教えてく

ださい」

★回答

公益法人の次の3つの税制上の区分にしたがって、税金の扱いを説明

します。

(1)公益社団法人・公益財団法人 

(2)一般社団法人・一般財団法人の内、非営利性が徹底している法人、

  または共益的活動を目的とする法人

(3)上記(2)以外の一般社団法人・一般財団

まず、法人が特定の公益法人に寄付した場合の扱いに改正がありまし

た。

☆質問

「法人が公益法人に寄付した場合の扱いですね?」

★回答

「そうです」

「法人が特定公益増進法人として認定された公益法人に寄付をすると、

そうでない公益法人に寄付した場合に比べて、税金が有利になります」

「上記(1)公益社団法人・公益財団法人は、今回の改正で特定公益増

進法人に追加されました」

☆質問

「公益社団法人と公益財団法人は、法人からの寄付を集めやすくなる

わけですね?」

★回答

「そのとおりです」

「次に、相続人が相続財産を公益法人に寄付した場合の取り扱いがあ

ります」

☆質問

「相続税での取り扱いですね?」

★回答

「相続人が相続した財産を、特定の公益法人に寄付すると、その分に

かかる相続税が非課税になる取り扱いです」

「相続税対策にもなる税金の扱いです」

「この特定の公益法人に上記(1)の公益社団法人・公益財団法人が

追加されました」

☆質問

「でも、相続した不動産を特定の公益法人に寄付して、相続税は安く

なっても、不動産の寄付により譲渡所得による税金がかかるのでは

ないですか?」

★回答

「そのとおりです」

「しかし所得税法において、公益法人等に対して財産を寄付した場合

の譲渡所得等の非課税特例という取り扱いがあるのです」

☆質問

「今度は所得税法での取り扱いですね?」

★回答

「そうです」

「この取り扱いの対象となる公益法人に、上記(1)の公益社団法人・

公益財団法人と、上記(2)の一般社団法人・一般財団法人の内、非

営利性が徹底している法人が追加されたのです」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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