週刊節税教室

記念品の支給

法人税・所得税
第302号 2007/11/6

☆質問

「新社屋が完成して、従業員に記念品を支給したいと考えています」

「いくらくらいの物なら税務上問題ありませんか?」

★回答

「税法では、次のように規定されています」

「その支給する記念品が社会通念上記念品としてふさわしいものであ

り、かつ、そのものの価額が1万円以下のものであること」

☆質問

「1万円以下というのは、購入価額が1万円以下であればよいのですか

?」

★回答

「税務上は、処分見込み価額により評価した価額とされています」

「つまり、今売ったらいくらになるかということです」

☆質問

「なかなか評価は難しいですね?」

★回答

「そうですね」

「2万円で購入した 物でも、その物に流通性がなく、処分見込み価額

が1万円以下ということは普通にありますからね」

☆質問

「確かに」

「この規定に当てはまれば、会社が購入した記念品は会社の損金に

なって、記念品を受け取った従業員は給与として課税されないという

ことですね?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「今回は、新社屋完成記念でしたが、創立記念でも1万円の規定を使っ

て記念品を支給できますか?」

★回答

「もちろん」

「ただし、創立記念の場合は、おおむね5年以上の期間ごとに記念品を

支給しなければ、この規定の適用はありません」

☆質問

「毎年ではダメなのですね?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「では、新社屋完成記念の翌年に株式上場記念があった場合は、どう

ですか?」

★回答

「その場合は、問題なく1万円の規定は適用されます」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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