週刊節税教室

同族会社の留保金課税の改正

法人税
第224号 2006/3/27

☆質問

「前回で同族会社の留保金課税について説明してもらいましたが、平成18

年度の税制改正で変更があるとのことです。どのような変更か教えてくだ

さい?」

★回答

「分かりました」

「まず、留保金課税の対象になる同族会社であるかどうかの判定の仕方

が変わりました」

☆質問

「前回で、3人以下の株主とその関係者が50%超の株式を所有している会

社が対象になるということでしたが、どう変わったのですか?」

★回答

「1人の株主とその関係者が50%超の株式を所有している会社が対象とな

りました」

☆質問

「ということは、留保金課税の対象となる会社は、1人オーナーとその身内

でやっているような会社に限定されるということですね?」

★回答

「そうですね」

「それと、留保金課税の計算は、その期において配当されずに会社に溜め

られた利益金額から、一定の控除金額を差し引いた残りの額に税金がか

かるのですが、この控除金額(留保控除額)が増やされました」

☆質問

「控除金額が増えたということは、留保金課税により支払う税金が少なくな

るということですね?」

★回答

「そうです」

「ここまでの改正は、納税者有利の改正ですが、納税者不利の改正もある

のです」

☆質問

「それはどのような改正ですか?」

★回答

「留保金課税を適用しないとする要件が3つあったのですが、その内2つが

廃止になりました」

☆質問

「そうなんですか?」

「残った留保金課税不適用の要件は何ですか?」

★回答

「中小企業新事業活動促進法の経営新計画の承認を受けた中小企業者

に該当する同族会社で、その計画に従って経営革新のための事業を実施

している場合です」

☆質問

「へ~ 何か難しそうですね」

★回答

「でも、税金が安くなるのですから、新事業を展開する予定のある会社は

ぜひチャレンジしてみましょう」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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