☆質問
「確定申告の時期が近づいてきました」
「昨年、上場株式の配当と上場していない中小企業の会社の株式配当
を受けましたが、確定申告はどうすれば良いですか?」
★回答
「上場株式については、発行済み株式の5%以上を有する個人を除いて
確定申告をする必要はありません」
☆質問
「そうなんですか」
★回答
「しかし、確定申告をすると税金が得するケースがあります」
☆質問
「どのようなケースですか?」
★回答
「課税所得が330万円以下の場合は、配当を確定申告した方が得になり
ます」
☆質問
「それはなぜですか?」
★回答
「上場株式の配当金は所得税7%、地方税3%のトータル10%の源泉徴
収をされています」
「課税所得330万円以下の所得税率は10%ですが、配当金額の10%だ
け税金を安くする配当控除により、配当を申告しても税金が増えることが
ないからです」
「したがって配当を確定申告すると、配当から天引きされた所得税7%の
税金が戻ってくるのです」
☆質問
「住民税はどうなんですか?」
★回答
「住民税にも配当控除という制度がありますが、所得税とチョッと違いま
す」
「住民税は、課税所得が200万円以下の場合、税率は5%になり、配当
控除は、配当金額の2.8%ですから、配当を申告すると2.2%分だけ税金
が増えます」
「200万円超700万円以下の場合、税率は10%になり、配当控除は、配
当金額の2.8%ですから、配当を申告すると7.2%だけ税金が増えます」
「所得税は、課税所得が330万円以下であれば、配当を申告しても税金
が増えることがないわけですから、配当を申告しても増える税金は住民
税の7.2%だけです」
☆質問
「課税所得330万円以下で上場株式の配当を申告すると、配当から天引
きされた所得税7%分は戻ってくるけれども、逆に住民税は増えるという
ことですね?」
★回答
「そうです」
「しかし、配当からは10%(所得税7%、住民税3%)の税金が既に天引
きされていますので、配当を申告することにより10%-7.2%(住民税の
課税所得が200万円以下の場合は2.2%)だけ税金が得になるという仕
組みです」
次回は、非上場株式の配当金について説明します。
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