☆質問
「会社を作ろうと思っています」
「新しくできたLLP(有限責任事業組合)と株式会社のどちらにしようか迷っ
ています」
「どちらが良いでしょうか?」
★回答
「まず、会社を設立してどのようなことをやろうとお考えですか?」
☆質問
「友人と2人でコンピュータのコンサルティングをやろうと思っています」
★回答
「現在は、お勤めですか?」
☆質問
「はい、2人とも同じ会社に勤めています」
「しかし、今月末に2人とも退職して、会社を立ち上げようということです」
★回答
「なるほど」
「ところで、なぜLLPが会社設立の選択肢の一つになったのですか?」
☆質問
「なんか、簡単に作れて、LLPで生じた損失も自分たちの所得から引け
るということで、節税になるような感じだからです」
★回答
「ん~」
☆質問
「節税になりませんか?」
★回答
「LLPと有限会社との一番の違いは、組織で儲けた利益や損失が、組織
の構成員個々人に直接帰属(LLP)するか、組織自体に帰属(株式会社)
するかということです」
☆質問
「はい」
★回答
「そこで、まず組織で利益が出た場合の節税効果について考えて見まし
ょう」
「組織で利益が出ると、LLPでは事業所得や不動産所得といった形で構
成員個人に課税されます」
☆質問
「はい、わかります」
★回答
「一方、株式会社で利益が出て、その利益を全てその組織の構成員で
ある役員に、役員報酬という形で分配したとします」
「そうすると、株式会社の構成員である個人は、会社の利益を給与所得
という形で受け取ることになります」
☆質問
「LLPでは組織の利益を事業所得や不動産所得で個人がもらい、株式
会社では給与所得としてもらうということですね」
「で、どっちが税金が有利なのですか?」
★回答
「事業所得や不動産所得では、収入から実際に使った経費を差し引いて
所得が計算されますが、給与所得では実際に使っていないけれども経費
としてみなされている給与所得控除があります」
☆質問
「なるほど、組織で計上した収益-経費=所得がそのまま個人の所得に
なるのがLLPで、収益-経費-給与所得控除=所得になるのが株式会社
ということですか?」
★回答
「そのとおりです」
「よく理解しましたね」
☆質問
「ということは、組織で利益が出た場合は、給与所得でもらえる株式会社
の方が得であるということですね?」
★回答
「このケースでは、そういうことが言えそうです」
次回は、このケースを具体的な数値例で説明しましょう。
なお、LLPに関する詳細な税制については、税務署に聞いても「まだ詳細
が決まっていません」と言われ、LLPのセミナーに出席して具体的な税金
の扱いを著名なセミナーの講師に聞いても「詳細はまだ決まっていないの
で、回答できません」といった状態です。
ですから、このメルマガの情報も、私の私見であることをご理解ください。
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