週刊節税教室

消費税のシミュレーションをしないと損をする(2)

消費税
第198号 2005/9/19

☆質問

「前回は、今年から消費税の課税事業者に新たになる個人事業者は、簡

易課税方式と本則課税方式との本年度の納税額をシミュレーションをして、

簡易課税方式が有利であるならば、今年中に簡易課税の選択届出書を

税務署に提出する必要があることを教えてもらいました」

「では、今年は平成15年の課税売上高が5千万円を超えていたために簡

易課税方式を選択できないけれども、来年は平成16年の課税売上高が

5千万円以下であることから簡易課税方式を選択できる場合は、どのよう

にしたらよいのですか?」

★回答

「今年の実績をもとに、来年の業績を予想して、来年の簡易課税方式と本

則課税方式における納税額のシミュレーションをする必要があります」

☆質問

「それで、来年の納税額が簡易課税方式の方が安くなるという結果が出た

らどうしたらよいのですか?」

★回答

「税務署に簡易課税方式を適用する届出を出します」

☆質問

「その届出は、来年中に出せばよいのですね?」

★回答

「それが違うのです」

☆質問

「え~ だって前回は、今年簡易課税を選択するには今年中に届出書を税

務署に提出すればよいと言ったではないですか?」

★回答

「確かに言いました」

「しかし、それは今年だけの経過措置なのです」

☆質問

「経過措置?」

★回答

「そうです」

「簡易課税方式の選択は、本来は選択しようとする年度の初日の前日まで

に届け出なければならないのです」

「つまり、個人事業者であれば、適用しようとする年の前年の12月31日まで

に届け出る必要があるのです」

☆質問

「なるほど、それが本来の規則なのですね?」

★回答

「そのとおりです」

「例外として今年だけ経過措置を設けたのです」

「つまり、平成17年に消費税の課税事業者になる個人事業者で、前年が免

税事業者である者については、平成17年中に簡易課税の選択届出書を税

務署に届け出れば、平成17年について簡易課税を適用できるというものです」

☆質問

「なるほど、よくわかりました」

★回答

「簡易課税方式を選択すると、2年間は強制的に適用されるということも重要

ですから覚えておいてください」

☆質問

「一度選択すると2年間は本則課税方式に戻れないということですね?」

★回答

「そのとおりです」

「2年前の課税売上高が5千万円を超えれば、簡易課税方式を選択していて

も本則課税方式が適用されるということも覚えておいてください」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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