☆質問
『同族会社のオーナーですが、会社で社債を発行すると何かとメ
リットがあると聞いたのですが、こんなちっちゃな会社でも社債
を発行することができるのですか?』
★回答
はい、できます。
社債とは、株式会社が発行する債券です。国が発行する債券が国
債ですから、それの株式会社版といったところです。
社債というと、上場会社などの大会社が発行するものと考えがち
ですが、条件を満たせば中小企業でも発行できます。
☆質問
『少人数私募債とかいうのですか?』
★回答
そうです。
社債は、株式会社が投資家にたいして債券を発行して資金を調達
し、その代わりに投資家にたいして利息を支払い、社債の償還期
日にお金を払い戻すものです。
この社債も、広く投資家を集めて(50名以上)行う場合には、決
算書を公開したり、役所に届出をしたりといった煩雑な手続きが
必要になります。
しかし、50名未満の投資家だけを集めて発行する社債は少人数私
募債と言って、簡単な手続きで中小企業でも利用することができ
ます。
☆質問
『わたしは、会社の資金が不足してくると身銭を切って会社に貸
し付けていますが、社債を会社が発行して、それを私が引き受け
て、会社に資金を注入するといったこともできるわけですか?』
★回答
できます。
☆質問
『しかし、私が会社にお金を貸し付けるのと、会社が社債を私に
発行してお金を会社に入れるので、何か違いがあるのですか?』
★回答
どっちでも同じようですが、税金の扱いでは違ってきます。
☆質問
『会社からもらう利息の税金ですか?』
★回答
そうです。
会社にお金を貸し付けて、その対価として利息をもらうと、もら
った個人の税金の扱いは雑所得とされます。
雑所得は、給与所得などと合算されて課税されます。
一方、社債利息を会社からもらうと、その利息は20%の源泉分離
課税の扱いになります。
源泉分離課税ですと、他の所得とは合算されずに、それだけで個
人への課税は終わりです。
つまり、銀行の預金利息の扱いと同様です。
☆質問
『高額な役員報酬をもらっている同族会社のオーナーにとっては
税金が有利ということですね?』
★回答
そうです。
さらに会社の税金も有利になることがあります。
☆質問
『会社の税金もですか?』
★回答
そうです。
会社からオーナーに株式配当金を支払っても会社の経費とはなり
ません。
しかし、会社からオーナーに社債利息を支払えば、社債利息は会
社の経費になるのです。
☆質問
『なるほど、会社も節税、個人も節税ですね』
『そしたら、社債を発行して高額な利息をオーナーに支払えば、
かなりの節税になりますね?』
★回答
高額な利息といっても、常識の範囲内であることが必要です。
そうでないと税務署に否認される可能性があります。
何事も程ほどに・・・
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