☆質問
『個人の所得税の見直しで、退職金に関する税金の扱いも問題
とされていましたが、どのようなことですか?』
★回答
現行の所得税法では、退職金に対する税金が優遇されています。
これを見直そうという議論です。
☆質問
『なぜ見直そうとしているのですか?』
★回答
終身雇用制度自体が無くなりつつあり、かつそれを前提とした
退職金制度が大きく変わろうとしています。
将来の退職金を毎月の給料に上乗せする制度とか、給与自体も
年齢に関係なく、各個人の能力に応じた給与体系が取られるよ
うになってきています。
☆質問
『退職金制度自体が変化しているのであれば、それに対する税
制も変化して当然ですね』
★回答
そうですね。
また、外資系の会社などで、海外から来た社員の毎月の給料を
抑え目にして、退社して海外に帰るときに退職金をガッポリ支
給して、所得税を過度に節税するようなことが行われています。
このことも退職金課税見直しの火種のひとつとなっています。
☆質問
『毎月の給料を少なめにして退職金でその分をもらうと、そん
なに税金が安くなるのですか?』
★回答
なります。
退職金に対する税金の計算は、
(退職金額-退職所得控除額)×1/2 で退職所得金額を計
算して、他の所得と合算されることなく税率がかけられるので
す。
ですから、2~3年日本の会社で勤めて退職していく外国人に
とっては、毎月の給料を少なくして給与にかかる所得税を少な
くし、更にその分を税金が優遇されている退職金でもらえば、
税金はすべて給料でもらうよりかなり少なく済んでしまうので
す。
☆質問
日本の会社で勤務する期間があらかじめ決まっているからでき
る芸当ですね。
で、この退職金に対する税制は本当に手直しされるのですか?
★回答
このところチョッとトーンダウンしてきました。
先日の税務調査で会った調査官も「退職金の税制は、私が退職
してからにしてもらいたいですね」と言っていました。
役所は手厚い退職金制度がありますから、税制を変えて自分の
首を自ら絞めるようなことはしづらいのかも知れませんね。
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