☆質問
『平成17年の税制改正で、教育訓練費を使うと税金が安くなる制
度ができると聞いたのですが、本当ですか?』
★回答
はい、人材投資(教育訓練)促進税制という制度です。
☆質問
『対象となる納税者は法人だけですか?』
★回答
いえ、違います。
対象は青色申告をしている個人と法人です。
白色申告をしている納税者は対象になりません。
☆質問
『いつからですか?』
★回答
個人は平成18年~20年。
法人は平成17年4月1日~平成20年3月31日までの間に開始する
事業年度です。
3月決算ですと、今年の4月1日からの事業年度からです。
☆質問
『どのくらい税金が安くなるのですか?』
★回答
今期の教育訓練費の額が、直前2年内の教育訓練費の平均額を超え
る場合に、超えた額の25%相当額の税額控除が認められます(今期
の法人税額の10%が限度)。
今期の教育訓練費が200万円で、前期が50万円、前々期が70万円
とすると、
{200万円-(50万円+70万円)÷2}×25%=35万円
となります。
これとは別に、中小企業者等の特例というものがあります。
☆質問
『中小企業者は、もっと税金が安くなるのですか?』
★回答
そうです。
直前2年内の教育訓練費の平均額に対する今期の教育訓練費の増加
額の割合である「教育訓練費増加率」、つまり上記の例では、
{200万円-(50万円+70万円)÷2}が今期の教育訓練費の増加額で
これを(50万円+70万円)÷2=60万円で割った割合が、「教育訓練費増
加率」となります。
この「教育訓練費増加率」が40%以上の場合は、今期の教育訓練費の
額に20%を掛けた額の税額控除が認められます。
この「教育訓練費増加率」が40%未満の場合は、今期の教育訓練費の
額に「教育訓練費増加率×0.5」の割合を掛けた額の税額控除が認めら
れます。
いずれも今期の法人税額の10%相当額が限度です。
☆質問
『先ほどの設例で説明してください』
★回答
まず、「教育訓練費増加率」を求めます。
{200万円-(50万円+70万円)÷2}=140万円が今期の増加額で、こ
れを(50万円+70万円)÷2=60万円で割って求めると、「教育訓練費増
加率」は233%になります。
「教育訓練費増加率」が40%以上ですので、
今期の教育訓練費200万円に20%を掛けた40万円の税額控除が
できることになります。
かなり優遇されています。
この設例で、「教育訓練費増加率」が35%で、40%未満であるとすると、
200万円×35%×0.5=35万円と計算されます。
☆質問
『なるほど、よく分かりました』
『ところでどういったものが教育訓練費になるのですか?』
★回答
まだ具体的な規定が決まっていませんが、次のような費用が教育訓練費
になるようです。
研修委託費
研修参加費
社外講師謝金
外部施設使用料
教材費 など
3月決算で3月に社員研修を考えている会社は、4月以降にその研修を
行って、平成18年3月期決算にその教育訓練費を計上した方が節税に
なりますので、日程の変更を検討しましょう!
◎お詫び
第170号で「売却した年の1月1日現在で所有期間が5年超であると総合
長期譲渡所得となります」との記述は「所有期間が5年超であると総合長
期譲渡所得となります」の誤りでしたので、訂正いたします。
売却した年の1月1日現在で所有期間が5年超であると長期譲渡所得に
なるのは土地建物等の場合です。
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。