「課税売上」÷(「課税売上」+「非課税売上」)で計算される課税売上
割合が、95%未満になると、「預った消費税」から「支払った消費税」を
全額控除することができません。
たまたま土地を売却した場合には、この課税売上割合が95%未満に
なることにより、事業の実態は変わらないのに消費税の納税額だけが
増えてしまうという、おかしなことになってしまいます。
しかし、このような場合に救いの手があるのです。
☆質問
『では、その救いの手を教えてください?』
★回答
土地の譲渡が単発のものであり、事業者の営業の実態に変動がなく、
かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の
差が5%以内である場合には、救いの手があります。
☆質問
『当社で非課税売上になるのは預金利息だけで、過去3年間の課税売
上割合の差はほとんどありません?』
★回答
そうであれば、救いの手を適用できますね。
☆質問
『具体的に教えてください?』
★回答
当期前3年間の通算課税売上割合と直前期の課税売上割合のいずれ
か低い割合を実際の課税売上割合の代わりとする申請を税務署にする
ことができます。
☆質問
『なるほど。そうすると、うちの会社の場合は、過去3年間の通算課税売
上割合が99.5%で直前期の課税売上割合が99%ですから、直前期の
99%を実際の課税売上割合(82%)の代わりに使えるわけですね?』
★回答
そうです。
この救いの手が使えるのは、「支払った消費税」を個別対応方式という
計算方法で計算する場合です。
土地の譲渡のためだけに「支払った消費税」と、本業のためだけに「支払
った消費税」以外の、いずれともいえない共通の「支払った消費税」の
計算で、99%の課税売上割合を使えるのです。
☆質問
『具体的に説明してください』
★回答
救いの手を使わないと、共通に「支払った消費税」に土地の譲渡が直接影
響した82%の課税売上割合を掛けた金額を、「預った消費税」から差し引き
ます。
一方、救いの手を使うと、共通に「支払った消費税」に99%の課税売上割合
を掛けた金額を、「預った消費税」から引くことができるのです。
☆質問
『救いの手を使うと、多くの「支払った消費税」を「預った消費税」から差し
引けるので、消費税が安くなるということですね?』
★回答
そのとおりです。
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