☆質問
『航空機のリース取引で節税する全体の仕組みは良く分かりました』
しかし、確か新聞で「税務当局、航空機のリース取引による節税認め
ず」という記事が今年になってありましたが、これはどういうことなんで
すか?』
★回答
これは、投資家が個人であった場合です。
法人を投資家とする航空機リースに関しては、今現在でも盛んに
営業が行われています。
☆質問
『同じ航空機のリース取引でも、投資家が個人であるとダメと言わ
れ、法人だとOKと言われるんですか?』
★回答
そうなんです。
☆質問
『なぜ、投資家が個人だとダメなんですか?』
★回答
前回説明しましたが、航空機のリース取引はリースを始めてから
ず~と赤字で、終わりの方で黒字に転換して、最後に航空機の売
却益で大きく黒字になる取引です。
☆質問
『つまりリース取引全体を通しては黒字になるっていうことですよね?』
『はじめから損をする取引なんてしないですからね』
★回答
そのとおりです。
ですから、はじめは赤字で税金をセーブできても、航空機を売却し
て売却益を計上すると、そこで税金をセーブできた以上に納税す
るわけです。
つまり納税の先送りということになるのです。
投資家が法人であれば、まさにこのとおり、単に税金を先送りす
るだけの取引なのです。
しかし、投資家が個人ですと、話が違います。
☆質問
『どう違うのですか?』
★回答
最後の航空機の売却益に対する税金の扱いが法人とは違うの
です。
法人の場合は売却益がそのまま他の所得と合算されて税金が
計算されます。
一方、個人の場合は航空機の所有期間が5年を超えますので、
長期譲渡所得となり売却益の2分の1の額だけ他の所得と合算
されて税金が計算されます。
つまり個人投資家の場合は前半赤字で税金をセーブして、最後
にド~ンと売却益で課税されないのです。
ド~ンではなくて、その半分のドンと課税されるくらいです。
そうすると、リース取引全体で黒字が生じているのに、納める
税金よりセーブした税金の方が多くなることがあるわけです。
ですから、税務署も個人投資家だけを過度の節税対策として否
認してきたわけです。
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