☆質問
『販売会社を経営しています。当社が販売した商品の数量に応じて、仕入
先から販売奨励金をもらっています。』
『この販売奨励金はどのように経理処理すればよいのですか?』
★回答
販売奨励金を受け取ったときの経理処理は、売上を計上する方法、雑収
入で処理する方法、仕入割戻しとして仕入のマイナス勘定で処理する方
法が考えられます。
☆質問
『そんなに処理方法があるのですか?』
『仕入のマイナスとしての仕入割戻しで処理したのでは、なんか営業に
張りが出ないので、奨励金売上という勘定を使って売上で処理します』
★回答
そうですね。その処理で問題ありません。
☆質問
『ところで販売奨励金を売上に計上して、消費税とかで損することはない
ですよね?』
★回答
消費税の計算では、注意しなくてはならないことがあります。
仕入先からもらう販売奨励金は、消費税では仕入のマイナスとして扱わ
れることになるのです。
☆質問
『経理処理で売上高として計上した販売奨励金が、消費税の計算では
仕入のマイナスとして処理されるのですか?』
★回答
そのとおりです。
ところで、消費税の申告は原則課税方式と簡易課税方式のいずれでさ
れていますか?
☆質問
『簡易課税です』
★回答
それでしたら、消費税の申告の際に注意しなければなりません。
販売奨励金が売上高として処理されているからといって、他の売上高
と一緒にして消費税の計算をすると、消費税を余計に支払うことになっ
てしまいます。
☆質問
『なぜですか?』
★回答
たとえば販売奨励金が100で他の売上が1,000とします。
簡易課税を採用している小売業の場合、売上高に1%を掛けた額が消
費税の納税額となります。
販売奨励金を売上高に含めた1,100に1%を掛けると納税額は11となり
ます。
しかし、販売奨励金はそもそも消費税法では仕入のマイナスになり、た
とえ決算書で売上高として計上されていても、消費税の計算では売上
高から除かなければなりません。
すると、販売奨励金を除いた売上1,000に1%が掛けられて、納税額は
10となるのです。
消費税が1だけ少なくなります。
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。