☆質問
『魚屋を経営しているのですが、来年から消費税の課税事業者となりますので
簡易課税というものを採用しようと思っています』
『簡易課税についてまず教えてもらえますか?』
★回答
消費税の納税額の計算方法には、原則課税方式と簡易課税方式の2つがあ
ります。
消費税納税額は「預った消費税」から「支払った消費税」を差し引いて計算し
ますが、簡易課税方式では「預った消費税」に事業区分ごとに定められた「み
なし仕入率」を乗じることにより簡易に「支払った消費税」を計算します。
つまり、簡易課税方式では「支払った消費税」を個々に集計することなく、「預
った消費税」に「みなし仕入率」を掛けることにより機械的に「支払った消費税」
を計算するのです。
☆質問
『みなし仕入率について、もう少し詳しく教えてください!』
★回答
5つの事業区分ごとにみなし仕入率は定められています。
第1種事業は卸売業で90%、第2種事業は小売業で80%、第3種は製造業
等で70%、第4種事業は飲食業等で60%、第5種事業はサービス業等で50%
とみなし仕入率が定められています。
☆質問
『小売業を例にとって、具体的な計算を説明してください』
★回答
売上代金と共に「預った消費税」が1,000とします。
「支払った消費税」は1,000×80%(小売業のみなし仕入率)=800と計算
されます。
「納める消費税」は「預った消費税」1,000-「支払った消費税」800=200
と計算されるのです。
☆質問
『なるほど、簡単ですね』
『うちは小売の魚屋ですから、第2種事業の80%のみなし仕入率になります
ね?』
★回答
ここが、簡単にいかないところなのです。
第2種事業の小売業に該当するためには、仕入れた魚を「性質及び形状の
変更」をしないで消費者に販売する必要があります。
☆質問
『仕入れたマグロを刺身にしたら第2種事業でなくなるのですか?』
★回答
刺身であれば大丈夫です。
「切る、刻む、つぶす、挽く、たれに漬け込む、混ぜ合わせる、こねる、乾か
す」は「性質及び形状の変更」はなかったものとされています。
ご安心ください。
☆質問
『では、サンマを焼いて売ったらどうなるのですか?』
★回答
この場合は、製造業として第3種事業になってしまいます。
みなし仕入率は、70%となってしまいます。
先ほどの例で計算すると、「支払った消費税」は1,000×70%の700となり
「納める消費税」は「預った消費税」1,000-「支払った消費税」700=300
と計算されるのです。
納税額が第2種事業より100増えてしまいます。
☆質問
『ひぇ~、こんな複雑な仕組みが簡易課税制度でもあるのですね?』
★回答
そうです、カツオの刺身とタタキでもって、納める消費税の額が違ってくる
のです。
消費税を節税するのには、相当な勉強が必要になります。
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