☆質問
『100号で親の土地の上に家を建てる場合、子が親に地代を支払わない使用
貸借であれば借地権の贈与の問題は発生しないとありました』
『では、子が親に地代を毎月支払う場合はどのようになるのですか?』
★回答
親の土地に子が建物を建てると、土地を使用する権利である借地権が親から
子に移転して、贈与税の問題が生じます。しかし、地代をタダとすると土地の
使用貸借となり、贈与税はかからないと100号では説明しました。
子が親に地代を支払うと、お金を払って土地を借りる賃貸借となります。
賃貸借となると、親から子への借地権の贈与の問題が出てきます。
☆質問
『この借地権の問題は、子が親に支払う地代の金額によって違ってきますか?』
★回答
違ってきます。
ではまず、親の土地にかかる固定資産税相当額の地代しか子供が親に支払っ
ていない場合を考えて見ましょう。
☆質問
『土地の固定資産税相当額しか地代を支払わない場合ですね?』
★回答
はい。
この場合は、土地の賃貸借ではなく使用貸借とみなされます。
☆質問
『あまりにも安い地代ということで、タダと同じ扱いになるということですか?』
★回答
そのとおりです。
次に世間一般の相場で地代を支払った場合です。
☆質問
『世間一般の地代の相場はかなり低いですよね。30坪くらいの土地でも月2万
円~3万円くらいですが・・・』
★回答
この場合には、親から子に借地権が贈与されたとみなされ、贈与税が課税され
ます。
世間一般の地代相場がかなり安いのは、借地をした時に通常は多額の一時金
(権利金)を支払うからです。
この一時金(権利金)なしに安い地代を親に支払ったのでは課税の公平を欠く
ことになるので、一時金は親から子に贈与されたものとされます。
一時金は借地の権利金のことで、借地権の対価を意味します。
☆質問
『なるほど、よく分かりました』
『では、高額な地代を親に支払った場合はどうなるのですか?』
★回答
土地の時価の6%相当額の地代を年間で支払うと親から子への借地権の贈与
の問題はなくなります。
☆質問
『土地の時価の6%となるとかなり高額な地代ですね?』
★回答
そうですね。時価5千万円の土地の地代ですと年額3百万円になります。
このくらいの地代を親に払えば借地権の贈与の問題はなくなりますが、あまり
現実的な方法ではありません。
やはり、地代を払わないか、払っても固定資産税相当額以下の地代として使用
貸借とするのが現実的な方法でしょう。
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