☆質問
『私の父が持っている土地に私の家を建てようと計画しているのですが、税務
上注意することはありますか?』
★回答
まず、お父さんが持っている土地は所有権がある土地ですか?
つまり、借地ではないわけですね。
☆質問
『そうです。借地ではなく、父が所有しています。』
★回答
通常、他人の土地に建物を建てると、その土地を使用する権利は建物の所有
者にほとんど移ってしまいます。
土地の所有者は土地の上の建物が建った時点で、土地の使用権のほとんど
を建物の所有者にあげたこととなります。
☆質問
『なるほど、建物の所有者は土地を使用する権利を建物を建てたことによって
タダでもらったことになるのですね?』
★回答
そのとおりです。
このタダでもらった土地を使用する権利のことを通常「借地権」といいます。
都内ですと土地の時価の60%~90%の金額が借地権の評価額とされます。
ですから、大変高額になります。
☆質問
『通常タダで親から財産をもらうと贈与税がかかりますよね。借地権も同じで
すか?』
★回答
同じです。
借地権も贈与税の対象となるのです。
☆質問
『では、私の場合も借地権の贈与となって多額の贈与税を支払わなければ
ならないのでしょうか?』
★回答
通常は、親子間ですと借地権の贈与の問題は起こりません。
それは、土地の使用貸借によるからです。
☆質問
『使用貸借って何ですか?』
★回答
民法上の賃貸借に対比されるもので、土地をタダで使わせる代わりに将来返して
もらうことを約束する契約のことを言います。
普通は、親子で地代のやり取りなどしないわけですから、この使用貸借契約で土
地を子供がただで使っていることになるのです。
税法上は、土地の使用貸借であれば借地権の贈与の問題は起こらないとする扱
いを定めているのです。
ですから、安心してお父さんの土地に建物を建ててください。
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。