週刊節税教室

扶養控除を漏れなく受ける

所得税
第60号 2002/11/18

☆質問

『年末調整が近づいてきましたが、父が今年死亡したのですが、扶養控除の対象とすることはできますか?』

★回答

できます。

配偶者や扶養親族が本年中に亡くなった場合でも、本年分については配偶者控除や扶養控除などの控除を受けることができます。

☆質問

『父は年金を130万円もらっていたのですが、扶養控除の対象にできますか?』

★回答

お父様はおいくつでしたか?

☆質問

『70歳でした』

★回答

それなら、あなたの扶養控除の対象となります。

☆質問

『年齢と関係があるのですか?』

★回答

はい。

公的年金は雑所得になり、65歳以上の方は公的年金控除ということで、年金受取額から最低でも140万円引くことができます。

お父様は130万円の年金をもらっていたのですから、公的年金控除額より少ないために、所得はゼロとされます。

すると、扶養控除の要件である「合計所得が38万円以下」になり、扶養控除の対象とすることができるのです。

☆質問

『なるほど・・・では、父が60歳であったとした場合にはどのようになりますか?』

★回答

65歳未満ですと公的年金控除は70万円となります。

合計所得は130万円-70万円=60万円となり、扶養控除の要件である38万円をオーバーしますので、扶養控除の対象とすることはできません。

☆質問

『わかりました。ちなみに、私は今年妻と離婚したのですが、配偶者控除の対象とすることはできますか?』

★回答

できません。

☆『今は、内縁の妻と暮らしているのですが、配偶者控除の対象とすることはできますか?』

★回答

残念ながら、できません。

配偶者控除の対象となる配偶者は、婚姻の届出をしている配偶者だけなのです。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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