☆質問
『上場株式を息子に贈与したいのですが、税金の扱いを教えてください。』
★回答
上場株式とは証券取引所で売買される株式のことを言います。
税法では贈与した上場株式の贈与金額の算定方法を定めています。
☆質問
『どのように定めているのですか?』
★回答
以下の4つの株価の内、一番低い金額を贈与金額と定めています。
1.贈与日の取引所での最終価額
2.贈与した月の株価の月平均額
3.贈与した月の前月の月平均額
4.贈与した月の前々月の月平均額
☆質問
『なるほど。贈与日の株価とその月を含む前3ヶ月の各月平均額の内、一番低い株価が贈与した上場株式の株価になるのですね?』
★回答
そのとおりです。かなり幅があることになります。
ですから、株価の動向を見て上場株式を贈与すると、現金を贈与する以上の効果が期待できることがあります。
☆質問
『具体的にはどのようなことですか』
★回答
自分が持っている上場株式が突如急騰した場合、例えば今月に入って2倍になったケースを考えてみましょう。
その株式の7月の月平均額は300円、同じく8月の月平均額は280円、そして9月に入り突如700円に急騰したのです。
その株式を息子さんに贈与する場合の株価は、上記の株価で一番低い280円となります。
この株式を1万株息子さんに贈与すると、贈与価額は280万円(280円×10,000株)で、贈与税は18万円です。
この株式を息子さんが市場で700円で売却すると売却額は700万円、支払う税金は73,500円(現行の申告分離課税の場合)です。
なんと、この贈与によって息子さんは手取りで6,746,500円(7,000,000円-180,000円-73,500円)も手に入れたことになります。
来年からは、株式譲渡における源泉分離課税が廃止され(また継続との情報もあり?)ますが、廃止された場合のこの節税手法について次回説明します。
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