週刊節税教室

不良債権の落とし方(3)

法人税・所得税
第35号 2002/5/27

☆質問

『得意先の社長の所在が不明で売掛金を回収できません。連絡もつきません。何か良い方法はないでしょうか?』

★回答

もうまるっきり回収の見込みはないのでしょうか?

☆質問

『はい、約50万円の売掛金があるのですが、もう回収不能です」

★回答

そうですか。

会社は法律上存在するのだけれども、その得意先の状況等が一切分からないと、貸倒損失として落とすにも、税法の規定にそのまま該当しませんので困りものです。

☆質問

『何とか今期落としたいのですが、良い方法はないでしょうか?』

★回答 

あります。

債券を放棄しましょう。

☆質問

『債権を放棄するとはどのようなことでしょうか?』

★回答 

得意先に「もうお宅に対する売掛金はいらないよ!」と通知して、代金をもらうことを放棄することです。

そうすれば、請求権がなくなるわけですから、売掛金は貸倒損失として落とせるわけです。

☆質問

『なるほどよく分かりました。実務的な注意点はありますか?』

★回答 

はい、以下のとおりです。

(1)何度も督促したのだけれども回収できなかった事実を残す。

  回収可能なのにもかかわらず債権放棄をすると、得意先に対してお金をくれて

  あげたこととなり、寄付金となってしまいます。

(2)債権放棄通知書を得意先宛に内容証明および配達証明で通知する。

  通知したことを証拠として残すためです。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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