「メールマガジンの読者の方からの質問です」
☆質問
『ペイオフ対策で私の周りのお年寄りの方達が、取り敢えず子供の口座にに
自分のお金を入金しているケースが多いのですが、税務上は問題ないので
しょうか?』
★回答
問題はあります。
通常この質問に対する回答としては「親から子への贈与となる」とするのが
一般的な回答でしょう。
しかし、ご質問のことが直ちに贈与になるかというと事はそう簡単なものでは
ないと思います。
☆質問
『と言いますと、具体的にどのようなことですか?』
★回答
親が子供の銀行口座にお金を入れたからといって、それが直ちに贈与とされ
るかということです。
贈与とは「親が自分のお金をただで子供にあげる意思表示をして、子供がも
らうことを了解することにより効力を生ずる」と民法で規定しています。
この規定に照らすと単にペイオフ対策のために子供の口座にお金を入れても
法律上、贈与とはみなされないことになります。
子供の口座を自分のお金の一時預かり所のように使っているだけでは贈与
とされないと思います。
☆質問
『なるほど、お金の一時預かり所ですか。貸し金庫と考えれば分りやすいです
ね。』
★回答
しかし、このような貸し金庫状態では、同一銀行の場合は実質親の預金として
ペイオフの対象となる可能性があります。
ペイオフだけを考えれば、贈与とされた方が良いわけです。
☆質問
『実際問題、子供の口座にお金を振り込んですぐに税務署が贈与税の申告を
しなさいと言ってくるものなのですか?』
★回答
税務署がいちいち納税者の預金をチェックしているわけではありませんので、
そのようなことはありません。
あるとしたら、親の所得税や相続税の税務調査で銀行口座を調べ上げた時く
らいではないでしょうか。
しかし、安易な資金移動はやめるに越したことはありません。
思わぬ税金がいつなんどき降りかかるかもしれませんから。
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