【生徒♂】
「さあ先生!調整対象固定資産を購入した課税期間において、納付すべき税額がマイナスになる事が、どうして規制理由になるのさ?教えてちょんまげ。」
【生徒♀】
「出だしから力が抜けますわね・・・でも気合を入れて聞かせて頂きますわ!」
【先 生】
「では、耳の穴をかっぽじってよく聞きなさいよ。仮受消費税額から仮払消費税額を控除した結果がマイナスになるって事は、納税義務者が消費者から預かっている消費税額よりも納税義務者が商品等を仕入れる際に支払った消費税額の方が多かった、という事になるでしょ?」
【生徒♂】
「そうだね、そういう事になるね。」
【先 生】
「この状態で納税義務者が、この消費税について税務署へ申告書を提出すると、そのマイナスの分だけ消費税が還付、つまり現金で返金されてくるのよ。」
【生徒♀】
「まあ!それは何だかお得な気分になりますわね。」
【先 生】
「まあ、その分だけ納税義務者の方が多くの消費税を現金で払っていた訳だから、タナボタ的に得したって訳ではないのだけれど、現金で還付されれば、納税義務者としては有難いのは確かね。」
【生徒♂】
「タナボタ的に得した訳では無いのだから、別に規制しなくても良いのではなくて?」
【先 生】
「確かに還付された年度、つまり調整対象固定資産を購入した年度だけをみれば、別に規制する理由は無いわね。でも規制する本当の理由は、この還付された年度の翌期以降にあるのよ。」
【生徒♂】
「おっ!何だか段々と核心に近づいてきた予感がするね?」
【生徒♀】
「さっ!続けてくださいな!」
【先 生】
「先ず、消費税の還付を受ける為には、その課税期間について納税義務者である必要があるわ。」
【生徒♂】
「つまり、消費税についての確定申告をする義務がある者って事だよね?」
【先 生】
「そうよ。確定申告をする義務がある者だからこそ、マイナスの確定申告書を提出し、そのマイナスに相当する金額の還付を受ける事が出来るの。これが免税事業者だったら、元々確定申告をする義務が無い訳だから、マイナスの確定申告書を提出する事も出来ないし、当然、消費税の還付を受ける事も出来ないわ。」
【生徒♀】
「なるほど。でも先生、設立1期目や2期目で資本金が1,000万円未満である法人や基準期間や特定期間の課税売上高が、1,000万円以下である場合には、免税事業者になってしまいますわ。免税事業者だと還付を受けられない訳ですわよね?この場合には、どうすればよろしいのですの?」
【先 生】
「とても良い質問だわ。その場合には、その還付を受けたい課税期間について予め『課税事業者選択届出書』という届出書を提出し、課税事業者になっておく必要があるの。」
【生徒♂】
「へぇ~。納税義務者の方から課税事業者を選択する事が出来るんだね?」
【先 生】
「そうなの。では次回は、課税事業者の選択と消費税還付の関係について勉強する事にしましょう。
ではまた次回!ばいばい!」