無申告とは、税金の申告を申告期限までにしていない状態を言います。
今回の調査は、この無申告を対象にした調査です。
■会計事務所(担当者)
「所長、昨年個人事業から法人成りしたクライアントに、個人事業時代の調査をしたい旨の連絡が税務署からありました」
■所長
「個人事業をしていたときに確定申告はしてるんでしょ?」
■会計事務所(担当者)
「それが、やっていないんです」
■所長
「え~申告していないの?」
■会計事務所(担当者)
「本人に聞いたら、何もしていないということです」
■所長
「まぁ うちの事務所が関与する前だから、仕方がないね」
調査当日です。
●税務署
「昨年法人を設立されましたが、それ以前も事業はされていたんですよね?」
★納税者
「はい、していました」
●税務署
「いつからされていましたか?」
★納税者
「法人成りする3年前からです」
●税務署
「その間、所得税の確定申告はしていないですよね?」
★納税者
「していません」
「はじめは赤字ばかりでしたので、申告する必要もないと思っていました。
■会計事務所
「赤字でも、青色申告の手続きを取って申告をしておけば、赤字を翌年以降に繰り越せたのに・・・」
★納税者
「そうなんですか」
「税金のことは何も分からなくて、何もしていません」
●税務署
「いつごろから黒字になりましたか?」
★納税者
「事業を始めて2年くらいしてからです」
●税務署
「そうですか」
「個人事業時代に帳面は付けていましたか?」
★納税者
「何もつけていません」
「あるのは通帳だけです」
つづく