10万円未満の固定資産でも、購入しただけでは損金として計上できません。
実際に事業の用に供されることが必要なのです。
税務署は、執拗に期末近くで購入した電子機器が、期末までに事業で使われたという証拠を納税者に求めています。
大規模脱税事件の調査の一環として納税者を調査したのですが、特にその事案に関連した事実は今回の調査ではなかったようです。
熊本まで東京から出張して、かなりの調査人数を投入して、その結果、「何もなかった」ということでは税務署もまずいのでしょう。
●税務署
「いや~ 事業で使ったという証拠がないと認められませんよ」
▲納税者
「そんなことを言っても使っているのですから実際」
●税務署
「我々は、使いましたと言われて、ハイそうですか、というわけにはいかないのですよ」
▲納税者
「でも、タイムマシーンでもなければ、私が使ったかどうかを確認できませんよ」
●税務署
「証拠がないとダメですよ」
■会計事務所
「ちょっと待ってください」
「証拠がないとダメなんておかしいでしょ」
「では、そちらで期末までに電子機器を使っていないという証拠を出してくださいよ」
「絶対に使っていないという証拠を!」
●税務署
「・・・・」
■会計事務所
「いったいにして、なんですかこの調査は」
「使ったか、使っていないの押し問答をしたってどうしようもないでしょ」
「もう、帰りの飛行機の時間が来ますので、もうこれで終わりにしてください」
●税務署
「今日のところはこれで終わりにしますが、調査は終わりませんよ」
「先生、また東京で連絡させていただきます!」
こうして熊本での調査は終了しましたが、東京に帰ってからが大変でした。
つづく