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週刊節税教室

生命保険で財務体質強化(その2) 

法人税
第437号 2014/12/16

☆質問 

「前回は生命保険のメリットについてお聞きしました。生命保険のデメリットとはどういものでしょうか?」

★回答

「まず支払った生命保険料のうち解約返戻金についてキャッシュが塩漬けになることです」

「例えば保険料500万円の半額を経費にできる生命保険であれば、500万円*1/2=250万円を支払時に経費できます。しかし将来の解約返戻金が保険料の97%とすると500万円*97%=485万円のキャッシュを預けることになり解約時まで戻ってきません」

☆質問 

「つまり節税をするために保険料を払ってしまうと解約返戻金相当のキャッシュが凍結されてしまうのですね。運転資金から保険料を払ったりすると後々大変ですね」

★回答

「そのとおりです」

☆質問 

「運転資金に困ったら解約すればどうですか?」

★回答

「解約返戻金は保険期間を通じて一定ではなく、徐々に増えていってある時点から減少します」

「そのため解約時期によっては解約返戻金が大幅に減額されることがあります」

☆質問 

「つまり解約返戻金が最大になる時に解約するのがベストなのですね」

★回答

「絶好の解約時期まで生命保険を継続する必要がある。これが二つ目のデメリットです」

「業績が継続して好調であれば問題ありませんが、毎年一定の保険料がキャッシュとして塩漬けになりますので運転資金が不足して、なくなく解約といった状況にならないように注意が必要です」

☆質問 

「では生命保険を解約するとどのような処理になりますか?」

★回答

「保険料の半額を経費にできるものであれば解約返戻金から支払済保険料の半額を差し引いた残額が収益となります。全額を経費にできるものであれば解約返戻金がそのまま収益となります」

「先程の例だと解約返戻金500万円*97%=485万円から500万円*1/2=250万円を差し引いた235万円は会社の利益として計上します」

☆質問 

「では黒字であればこの235万円に対して税金がかかってしまうのでしょうか?」

★回答

「そのとおりです。生命保険は支払時に経費になり節税できますが、解約時期には収益となり課税されることになります。結果として解約返戻金があると課税の繰延べとして課税される時期が将来にずれる効果しかありません。そのため解約時期に役員退職金などの経費を計上できるとよいかと思います」

「来週は生命保険を個人に売買した際の効果について考えてみましょう」

☆質問 

「お願いします」

税理士 吉田 斉
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