週刊なるほど!消費税

〔--組織変更の場合の課税期間--〕

第437号 2018/03/01

【生徒♂】

「・・・はっ!あまりにも久しぶりの登場だから自分が誰なのかを忘れていたよ!」

【生徒♀】

「ホントですわね。あなたの顔を見ても『この金平糖みたいな顔をした小坊主は誰ですの?』

なんて本気で考え込んでしまいましたわ。」

【生徒♂】

「久々に顔を合わせたってのに憎たらしいことを言うね、まったく・・・。先生は随分と小皺が増えたんじゃないの?」

【先 生】

「どうやら君は久々に登場する早々、棺桶に入れて欲しいみたいね?今すぐ収棺してあげようかしら・・・?」

【生徒♂】

「ははは・・・完全に目がすわっていて笑えないよ?先生・・・」

【生徒♀】

「さあ!さあ!随分長いことマルマガ配信をサボっていた担当者の顔は後でひっぱたきに行くとして、授業を再開致しましょう。何処からだったかしら?」

【先 生】

「それもそうね。組織変更の場合の課税期間についてみていくところから再開よ。」

【生徒♂】

「その組織変更って何なのさ?」

【先 生】

「そうね、例えば、会社の形態で一般的に知られているのは『株式会社』だと思うけれど、それ以外にも『合同会社』っていう会社形態もあるのよ。」

【生徒♀】

「ふ~ん。会社の形態って色々ありますのね。」

【先 生】

「そうなの。それで、当初は合同会社として設立したけれど、後々に株式会社に変更したいって考えたとするでしょ?」

【生徒♂】

「うん。知名度は、株式会社の方が一般的だろうしね。」

【先 生】

「そういう場合には、合同会社⇒株式会社へ組織形態を変更する事が出来るのよ。これを『組織変更』って呼ぶのよ。」

【生徒♀】

「なるほど。例えば、『合同会社ABC商事』が『株式会社ABC商事』になるってイメージですわね。」

【先 生】

「そのとおりよ。この例のように合同会社⇒株式会社へ組織変更する場合には、合同会社の解散登記と株式会社の設立登記を同時に行う必要があるのよ。」

【生徒♂】

「えっ!という事は、ABC商事の課税期間は、途中でプツンと途切れちゃうってことかい?」

【先 生】

「確かに一見すると、課税期間が途中で途切れてしまうように思うわね。でも、消費税の課税期間を考える場合における組織変更については、組織変更前の法人の解散登記、組織変更後の法人の設立登記に関わらず、その解散又は登記は無かったものとして取り扱われるのよ(消基3-2-2)」

【生徒♀】

「つまり、課税期間というのは、組織変更によって途中で途切れること無く、そのまま継続するって訳ですわね。」

【先 生】

「そのとおりよ。組織変更に絡んでもう1つあるわ。法人の場合の基準期間っていうのは、原則として何時の期間を指すのか覚えているかしら?」

【生徒♂】

「もちろんさ♪『前々事業年度』でしょ。」

【先 生】

「おっ!正解よ。よく覚えていたわね。」

【生徒♀】

「まあ!ここで正解を出してしまうだなんて・・・。普通ならボケの1つも入れるところでしょうに。分かっておりませんわね・・・。」

【先 生】

「まあまあ、そう言いなさんなって。その基準期間だけれど、基準期間ができた以後の課税期間において組織変更した場合、その組織変更後の法人については、基準期間が無くなってしまうということはなく、組織変更前の基準期間がそのまま引き継がれることになるのよ(消基3-2-2_注書)」

【生徒♂】

「なるほど。例えば、第3期目において『合同会社ABC商事』が『株式会社ABC商事』に組織変更したとしても、株式会社ABC商事の第3期目の基準期間は、組織変更前の第1期目が該当するって訳だね?」

【先 生】

「ええ、そのとおりよ。組織変更があっても途中で途切れないって訳。」

【生徒♀】

「ところで、法人の場合も個人事業者と同様に課税期間の短縮ってありますのでしょ?」

【先 生】

「ええ、勿論あるわよ。でも残念!あたしこれから『私を食べて!全身ドクターフィッシュセラピー』に行かなきゃなのよ。あたしはもう、あなた達からどんなに非難されても授業を途中で抜け出す事に罪悪感は感じないんだからね。」

【生徒♂】

「はいはい、もう非難する気も失せてますよ・・・」

【生徒♀】

「どうせなら、ピラニアの水槽にでも浸かって骨ごと食べて貰ったら如何ですの?」

【先 生】

「なるほど。どうせ新陳代謝させるなら骨の髄から代謝させた方がいいって訳ね・・・っ

ておバカ!骨までかじられたら痛いじゃないのよ。という訳で今回はここまで。ではまた次回!ばいばい!」

アトラス総合事務所 税理士
大森 浩次
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為