週刊なるほど!消費税

〔納税義務判定_その年の前年又は前々年において相続があった場合〕

第400号 2015/06/22

【生徒♂】

「さあ先生!前回は僕達を放って徹夜カラオケに行ってしまうという暴挙に出た訳だけれど、その徹夜カラオケは楽しかったかい?」

【先 生】

「もう最っ高だったわよ♪あたしのレパートリー曲を夜明けまで熱唱して友達に聞かせてあげたわ。」

【生徒♀】

「うげっ・・・地獄のワンマンショーですわね。同伴したお友達に同情しますわ。合唱・・・」

【先 生】

「という訳で、今回は前回の続きで『その年の前々又は前々年において相続があった場合』の納税義務判定についてお話しするわね。」

【生徒♂】

「うん。じゃあ先ずは『その年の前年において相続があった場合』について教えてよ。」

【先 生】

「いいわ。前回と同様に相続があった日を平成27年6月30日とすると、その翌年である平成28年分の納税義務判定は、先ずは原則どおり、基準期間である平成26年分の相続人だけの課税売上高で判定するのよ。」

【生徒♂】

「そこで1,000万円を超えていたら、その時点で平成28年分は課税事業者に該当するんだね。」

【先 生】

「そのとおりよ。反対に1,000万円以下だった場合には、平成26年分の相続人の課税売上高と平成26年分の被相続人の課税売上高とを合算し、その合算した金額が1,000万円を超えた場合には、その相続人の平成28年分は、課税事業者に該当する事、という事になるの。」

【生徒♀】

「なるほどですわ。じゃあ、同様に『前々年において相続があった場合』というのも先ずは、基準期間における相続人の課税売上高のみで判定し、それが1,000万円以下の場合には、基準期間における相続人の課税売上高とその基準期間における被相続人の課税売上高とを合算して判定しますのね?」

【先 生】

「正解♪そのとおりよ。その合算した金額が1,000万円を超えた場合には、相続人のその年は課税事業者に該当する事になるわ。」

【生徒♂】

「ふと思ったんだけど、『その年の前々々年において相続があった場合』、つまり、『その年の3年前において相続があった場合』については、特例規定は無いのかな?」

【先 生】

「素朴だけれどいい質問ね。その年の3年前に相続があったという事は、その年の基準期間である2年前においては、既に相続によって事業が承継されているって事よね?」

【生徒♀】

「確かにそうですわね。既に承継されていますわ。」

【先 生】

「という事は、相続人のその年の基準期間である2年前の売上高には、既に相続によって承継した事業に係る売上高が含まれている、という事になるでしょ?」

【生徒♂】

「そっか!わざわざ『足し算して判定』しなくても、原則どおりに相続人の基準期間の課税売上高を用いて判定するだけで事足りるって訳だね。」

【先 生】

「正解♪そのとおりよ。」

【生徒♀】

「相続があった場合の納税義務判定って、他にも何か注意すべき点がありますの?」

【先 生】

「他にはそうね・・・と言いたいところだけれど、今日は徹夜カラオケ明けでクタクタなのよ・・・だからもう家に帰る事にするわね。バイビー♪」

【生徒♂】

「ちょっとちょっと・・・今度は遊び疲れたから帰るって言い出しちゃったよ、この先生・・・参ったねこりゃ・・・」

【生徒♀】

「あらあらまあまあ。随分と自由人ですこと♪」

【先 生】

「眠いんだから仕方ないでしょ!という訳で今回はここまで。ではまた次回!ばいばい!」

アトラス総合事務所 税理士
大森 浩次
◆発行 アトラス総合事務所

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