【先 生】
「新設法人、つまり、その事業年度の基準期間が無い法人の内、その事業年度開始の日における資本金額が1,000万円以上である法人については、その基準期間が無い事業年度に含まれる各課税期間については、納税義務が免除されないってところまでは理解したわね?」
【生徒♂】
「もちろん!あたりきしゃりきのコンコンチキさ!」
【生徒♀】
「リアクションが古いですわね・・・」
【先 生】
「今回は、この新設法人の納税義務判定に深く関わってくる『調整対象固定資産』についてお話ししようと思うの。」
【生徒♂】
「その調整対象固定資産ってのは、いったい何者なのさ?」
【先 生】
「調整対象固定資産っていうのはね、棚卸資産以外の資産で、建物及びその附属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品といった有形固定資産や鉱業権等の無形固定資産の内、消費税抜きの価額が100万円以上のものをいうのよ。(消令5条)」
【生徒♀】
「簡単にいうと減価償却をするような固定資産ってことかしら?」
【先 生】
「まあ、ざっくり正しいわね。注意して欲しいのは、『棚卸資産以外の資産で』となっているところよ。」
【生徒♂】
「なるほど。つまり、たとえこれらの固定資産であってもその資産を“商品”として日常的に販売しているような場合には、その固定資産は、調整対象固定資産には該当しないって訳だね?」
【先 生】
「そのとおりよ。“商品”として日常的に販売している資産は、固定資産ではなく“棚卸資産”に該当するからね。」
【生徒♀】
「消費税抜きの価額が“100万円以上”ってことですけれど、この“100万円以上”というのは、その購入した資産の合計額のことですの?」
【先 生】
「いいえ、違うわ。ここでいう“100万円以上”というのは、“一の取引単位”毎の価額、つまり単品の価額のことよ。但し、通常一組又は一式をもって取引の単位とされるものについては、その一組又は一式毎の価額を指すわ。」
【生徒♀】
「なるほど。ちょっと気になったのですけれど、この調整対象固定資産の中には、『土地』が含まれておりませんのね?土地といえば、固定資産の代表選手みたいなものですのにね。」
【先 生】
「いいところに気が付いたわね。確かに調整対象固定資産の範囲に土地は含まれていないわ。」
【生徒♂】
「それはどうしてなの?」
【先 生】
「それはね、土地は非課税対象資産であり、その購入の際に消費税が課されないからなのよ。」
【生徒♀】
「確かに調整対象固定資産の範囲をみると、全て消費税の課税対象となる資産ですわね。」
【生徒♂】
「という事は、この消費税の課税対象になるという点が、新設法人の納税義務判定に絡んでくるんだ
ね?僕は、そんな予感がビンビンしてきたよ!」
【先 生】
「別にビンビンしなくてもいいんだけれど。。。まあいいわ。では今回はここまでとして、次回は、この調整対象固定資産が新設法人の納税義務判定にどのように絡んでくるのかを勉強しましょう。ではまた次回!ばいばい!」
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