週刊なるほど!消費税

納税額の計算(25)
原則課税

第150号 2005/11/28

【先生】

 前回から棚卸資産の調整についてお話しています。

 引続き課税事業者から免税事業者になった場合の調整計算について

見ていくことにしましょう。

 前回のお話は覚えていますか?

【生徒】

 確か、翌期免税事業者になる場合には、

・その課税事業者である課税期間中に購入した棚卸資産で、

・期末に在庫で残っているものは、

その購入分の消費税を控除できないってことでした。

【先生】

 そうですね。それでは実際の計算方法はどうなるでしょうか。

 まずは期末に残っている棚卸資産のうち当課税期間中に購入したもの

のみを抜き出します。

 ここで、国内で仕入れたものであれば、税込価格から計算してあげれば

よいのですが、課税貨物つまり輸入品であった場合には注意が必要です。

 課税貨物は価格に消費税が含まれているのではなく、課税貨物にかかる

消費税を後から納付するというのが一般的です。

 そのため、どの課税貨物に対する消費税なのかをきちんと把握しておき、

期末在庫に対する金額を直接的に出してあげる必要があります。

【生徒】

 そうか。消費税を後から支払うとなると、いつの輸入に対する支払なのか

わからなくなりそうですもんね。

【先生】

 そうです。輸入品への対価の支払とそれに伴う消費税の支払の時期が

ずれることがほとんどなので、対応関係をはっきりさせないといけないの

です。

 そして、計算した消費税額は仕入控除税額から差引きます。つまり控除

できる消費税額が少なくなるので、結果として納税額が大きくなります。

【生徒】

 なるほど。確かに期末にあわてて仕入れても売れ残っていれば控除でき

ないですね。

 そういえば、この控除できなかった消費税っていうのはどうなるんですか?

実際に支払ってはいるわけですよね。

【先生】

 ちょっと細かい話になりますが、控除できなかった消費税は経費として

計上されることになります。

 消費税では控除できなかったのですが、法人税或いは所得税でちょっと

だけお得になるということです。

【生徒】

 経費になるならまるっきり損ってことでもないんですね。

【先生】

 無論、消費税の控除対象となった方が消費税や法人税・所得税などの

トータルの税額は安くなります。

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