週刊なるほど!消費税

納税額の計算(9)
原則課税

第134号 2005/08/08

【先生】

 このようなことを言っていいのかどうか微妙ですが、8/8は「デブの日」だそう

です。

【生徒】

 誰が決めたんだそんなこと・・・差別用語にならないのかな・・・

【先生】

 大日本肥満者連盟というところが1978年に制定したそうです。初代会長が

小林亜星さんというから驚き。この団体?が現在も活動しているのかどうかは

不明です。

【生徒】

 ネーミングが直球ど真ん中過ぎる気が・・・ せめて「ぽっちゃり型の日」とか、

「ちょっと太目の人達の日」とか・・・

【先生】

 それだけ自分の体型に誇りを持っている・・・ということにしておきましょう。

 さて、前回は非課税資産の輸出等を行った場合の課税売上割合の計算に

ついてお話しました。

 今回は国内以外の地域における資産の譲渡等のため又は国内以外の地域

における自己の使用のため資産を輸出した場合について見ていきましょう。

【生徒】

 海外の支店とか営業所で販売する商品を輸出したとか、海外の自社工場で

使用する機械を輸出したとかいう場合ですね。

【先生】

 そうです。

 これら資産の輸出をした場合、譲渡したわけではないので対価は発生しない

のですが、課税売上割合の計算では、これらの資産が対価を得て輸出される

ものとした場合における日本の輸出港における本船甲板渡し価格(航空機に

よる輸出の場合はこれに準じる価格)を分母、分子に加算します。

【生徒】

 本船甲板渡し価格って何ですか?

【先生】

 国際商業(貿易)条件の一つで、FOB価格といわれるものです。貨物を本船の

上で引き渡すまでの費用を含んだ額なのでこのように言われます。(FOBとは

free on boardの略)

 輸出では輸出する貨物の所有権と危険負担、運賃・保険等を買主と売主でどう

区分するかが問題となります。

 FOBとは売主が本船に積み込んで責任を果たしたことになります。ですのでFOB

であれば買主が運賃と保険料を負担することになりますが、C&F(FOB+運賃込み)、

CIF(FOB+運賃+保険料込み)といった条件もあります。

 直感的イメージとして、FOBは売主が船積みまで全責任を負うから、船積みまでに

かかった費用を含めて商品の販売価格とする、と考えると分かりやすいでしょう。

 FOB価格の求め方は、輸出品の仕入価格又は製造原価に、船積諸掛、梱包費、

国内輸送料、検査・査証料、輸出通関諸掛、売主の利益などを合計します。

【生徒】

 商品の販売価格に荷積みまでの諸費用プラスって感じですね。

【先生】

 このFOB価格を分母・分子に加算することで課税売上割合が高くなり、海外での

事業に消費税が影響することを避けようとしているのです。

 注意点としては、前回お話した非課税資産の輸出等でも今回の資産の移送でも、

有価証券、支払手段、抵当証券、金銭債権の輸出については除外されますので

気をつけて下さい。

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