週刊なるほど!消費税

納税義務(1)

第82号 2004/07/05

【先生】

 明後日は七夕です。皆さんは短冊にどんな願い事をするのでしょうか。

【生徒】

 金金金金金金金金金金金金・・・・・

【先生】

 ・・・世知辛い世の中になったものです・・・

【生徒】

 ココロの平和にはお金が必須アイテムなんです。少しでいいんです。

でもたくさんあればなおウレシ。

【先生】

 短冊に書くより働いた方が確実ですよ。

 さて、前回で免税取引のお話は終わりました。これで不課税取引、

非課税取引、免税取引、課税取引の4種類全てについて見てきたこと

になります。

【生徒】

 あれ?課税取引ってまだ話してないですよ。

【先生】

 課税取引は簡単です。不課税・非課税・免税のどれにも当てはまら

ないものが課税取引です。

【生徒】

 なるほど。

【先生】

 これから先のお話は、この4種類の取引をきちんと分かっていること

が前提となります。実務でも取引が4種類のどれに当てはまるかが

一番の問題となりますので、わからなくなったら何度でも復習してみて

下さい。

【生徒】

 了解です。

【先生】

 今回からは平成15年税制改正の目玉、消費税の納税義務について

みていきます。

 このメルマガの第1回で消費税は間接税ということを話しましたが、

覚えていますか?

【生徒】

 もちろんです。税金を払う人と納める人が違うってことですよね。

【先生】

 そうです。消費税を納めるのは、消費者から消費税を預かっている

事業者です。

 本来であれば消費税のかかる取引つまり課税取引をしている事業者

は必ず消費税を預かっていることになり、そういう事業者の全てが消費

税を納めなければなりません。

 ですが消費税の記帳、計算、納税の手続きは煩雑で、小規模の事業

者にまでその義務を課すとソーシャルコストの観点から非効率的・・・

要は細々とやってる事業者にはかわいそうということで、消費税の納税

義務を免除する規定があるのです。

【生徒】

 消費税を預かっていても納めなくていいんですか!?

【先生】

 納税義務が免除される事業者を「免税事業者」といいますが、免税

事業者は消費税を納める義務が無いので、そもそも売上のとき消費税

は預りません。

 というのは建前で、実際には免税事業者でも消費税5%を付して請求

しているところはたくさんあります。

【生徒】

 払わなくてもいいのに5%取られてることがあるんですね。

こっちにしてみれば相手が免税事業者かどうかなんてわからないし・・・

 それってアリなんですか?

【先生】

 取扱としては、たとえ消費税5%という名目で取っていたとしても、それ

は単純に値上げとしてとらえます。消費税ではなく値上げしただけだと。

 ですが払っている方は税金として払っているわけですからね。いわゆる

益税と言われるものです。税金が利益となってしまっているのです。

【生徒】

 便乗値上げみたいなもんだなぁ・・・

【先生】

 細かいことを言うと、以前「消費税は頂いていません」という公告に国税

当局がクレームをつけて話題になったことがあります。

 例えば納税義務のある事業者(課税事業者)が、10万円の商品に5%

を足さず10万円で販売したとしても、その10万円が税込価格ということで

消費税は含まれていることになります。ですから「値下げした」というのが

正しく、「消費税は頂いていません」という表現はおかしいという解釈です。

 今では「消費税分5%は頂いていません」というような表現になってます

ね。但し総額表示が導入されてそれも難しくなってますが・・・

【生徒】

 どちらにしても値段が下がるのはいいことだ。

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