【先生】
前回までは医療の給付等について見てきました。ちょうど確定申告の
時期にさしかかってきましたからね。内科歯科整形外科耳鼻咽喉科小児科
泌尿器科etc・・・開業医の方々は気をつけて下さい。
【生徒】
『忍ぶれど 色に出にけり我が齲蝕 厠は開きぬと 人の問ふまで』
【先生】
虫歯が痛いと素直に言いなさい。早めに医者に行かないとタイヘンですよ。
【生徒】
だって消費税とられるのイヤだし。
【先生】
歯医者で必ず消費税が取られるわけではないですよ。
行きたくないのを消費税のせいにしないように。
さて、今回からは新しい非課税項目に入ります。但しちょっと特殊な
関係ですので深くは入りません。
【生徒】
特殊?
【先生】
「社会福祉事業等に関する資産の譲渡等」です。
社会福祉事業法、介護保険法、児童福祉法、老人福祉法などの法律
に基づいて行われる資産の譲渡等については非課税取引となります。
法律名を見ても分かるとおり、社会的に弱い立場にいる人への配慮
という政策的な目的から消費税を課さないこととしているんですね。
【生徒】
なるほど。
【先生】
具体例を挙げると、例えば養護老人ホーム・特別養護老人ホームや
保育所などの児童福祉施設、介護保険法に基づく居宅サービス・施設
サービスなどがあります。
これらを経営する事業において行われる資産の譲渡等が非課税取引
ということになります。
【生徒】
介護保険とか駅前保育所とか、最近のトピックですよね。
【先生】
保育所はちょっと注意が必要です。
保育所で非課税となるのは、児童福祉法に基づいて設置される保育所
に限られます。法律に基づかないいわゆる無認可保育所については、
保育料など課税取引となります。
また認可保育所では、法律で社会福祉事業に該当しないものの規定も
ありますが、消費税においては認可保育所で行う限り、社会福祉事業に
類するものとして、非課税取引となります。
【生徒】
最近の駅前は子供を預けて留学もできるんですよねぇ・・・
【先生】
その他で注意が必要なものは授産施設です。
【生徒】
授産施設?
【先生】
身体や精神にハンディキャップを持っていたり、世帯の事情等で就業能力
が限られている人に、就労や技能習得のために必要な訓練の提供や職業
の供与等を行う施設のことです。
その施設で行う自立・社会復帰のための訓練、職業の供与等の活動を
授産活動といいます。
【生徒】
障害を持っている人のための職業訓練所のようなイメージですね?
【先生】
そうです。
法律では授産施設を経営する事業は社会福祉事業に該当しますが、その
授産施設を経営する事業において、授産活動としての作業に基づき行われる
資産の譲渡等は、消費税では課税取引となります。
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