週刊なるほど!消費税

国内/国外取引(7)

第32号 2003/07/07

【先生】

 さて前回は国内-国外にわたって行われる旅客・貨物輸送、郵便

通信について見ました。結局どのような結論になりましたか?  

【生徒】

 日本発か日本着ならすべて国内取引です。

【先生】

 そうですね。

 それでは今回の話に入りましょう。今回は情報の提供又は設計

についてです。

【生徒】

 設計ならまだしも、情報の提供っていうと範囲が広そうですね。

【先生】

 範囲が広い分、さまざまな状況が考えられます。

 例えば外国の会社が日本進出を考えて日本の市場調査にきま

した。調査の結果を本国に持ち帰った後、その情報を日本の会社

が買い取った場合、この取引は国内取引でしょうか、国外取引で

しょうか?

【生徒】

 日本の会社が日本市場の情報を海外の会社から買ったんです

よね・・・

 難しいなぁ・・・

【先生】

 インターネットなどが発達して情報があっという間に世界中に

伝わるようになりましたからね。国内と海外の境目がわかなくな

っています。

 設計についても海外の有名建築家に設計を依頼するなんて

いうこともありますよね。

【生徒】

 「○○の設計したマンション!」とかテレビで見ました。

【先生】

 そこで情報の提供又は設計の内外取引の判定は、情報の提

供又は設計を行う者の、情報の提供又は設計に係る事務所等

の所在地で行います。

【生徒】

 事務所とか会社が日本にあるかどうかですね。だと最初の例

なら情報の提供者は海外の会社だから、国外取引になるという

ことですね?

【先生】

 そうです。いくら情報の内容が日本に関することであっても、

それを提供するのが海外の会社である限り国外取引です。

 但し、その外国の会社が日本に「日本支店」や「日本営業所」

など国内に一定の施設を構えている場合には注意が必要です。

【生徒】

 どうなるんですか?

【先生】

 例えばその情報の提供を外国の会社の日本支店を通して

依頼するような場合、情報の提供に係る事務所は国内にある

と判断され、国内取引となってしまいます。

【生徒】

 あらら・・・それなら日本に支店とか持ってる外国の会社なら

全部国内取引になってしまうんですね。

【先生】

 いえ、そうとは限りません。

 たとえ日本に支社などがある場合でも、その日本支社を介さ

ずに直接海外の本社と契約し、やりとりや金銭の受け渡し等も

本社のみと行う場合には国外取引としてもよいでしょう。

 個別具体的な取引で判断に迷ったら、所轄の税務署に問い

合わせてみるのが確実ですね。

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