【先生】
さて前回は国内-国外にわたって行われる旅客・貨物輸送、郵便
通信について見ました。結局どのような結論になりましたか?
【生徒】
日本発か日本着ならすべて国内取引です。
【先生】
そうですね。
それでは今回の話に入りましょう。今回は情報の提供又は設計
についてです。
【生徒】
設計ならまだしも、情報の提供っていうと範囲が広そうですね。
【先生】
範囲が広い分、さまざまな状況が考えられます。
例えば外国の会社が日本進出を考えて日本の市場調査にきま
した。調査の結果を本国に持ち帰った後、その情報を日本の会社
が買い取った場合、この取引は国内取引でしょうか、国外取引で
しょうか?
【生徒】
日本の会社が日本市場の情報を海外の会社から買ったんです
よね・・・
難しいなぁ・・・
【先生】
インターネットなどが発達して情報があっという間に世界中に
伝わるようになりましたからね。国内と海外の境目がわかなくな
っています。
設計についても海外の有名建築家に設計を依頼するなんて
いうこともありますよね。
【生徒】
「○○の設計したマンション!」とかテレビで見ました。
【先生】
そこで情報の提供又は設計の内外取引の判定は、情報の提
供又は設計を行う者の、情報の提供又は設計に係る事務所等
の所在地で行います。
【生徒】
事務所とか会社が日本にあるかどうかですね。だと最初の例
なら情報の提供者は海外の会社だから、国外取引になるという
ことですね?
【先生】
そうです。いくら情報の内容が日本に関することであっても、
それを提供するのが海外の会社である限り国外取引です。
但し、その外国の会社が日本に「日本支店」や「日本営業所」
など国内に一定の施設を構えている場合には注意が必要です。
【生徒】
どうなるんですか?
【先生】
例えばその情報の提供を外国の会社の日本支店を通して
依頼するような場合、情報の提供に係る事務所は国内にある
と判断され、国内取引となってしまいます。
【生徒】
あらら・・・それなら日本に支店とか持ってる外国の会社なら
全部国内取引になってしまうんですね。
【先生】
いえ、そうとは限りません。
たとえ日本に支社などがある場合でも、その日本支社を介さ
ずに直接海外の本社と契約し、やりとりや金銭の受け渡し等も
本社のみと行う場合には国外取引としてもよいでしょう。
個別具体的な取引で判断に迷ったら、所轄の税務署に問い
合わせてみるのが確実ですね。
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