【先生】
先週は事業範囲の2回目。個人事業者の事業についてでした。
【生徒】
付随行為は事業になって、家計に関するものは事業にならないんでしたよね。
【先生】
そうです。
その付随行為と家計について、よく挙げられる例を紹介しましょう。
「個人事業者が事業用資金を得るために自分の生活のために使用していた資産を売却しました」
この売却した行為は事業でしょうか?
【生徒】
・・・なんかすごく難しいですね・・・事業ですか?
【先生】
これは事業とはなりません。
まずこれは、事業として自分の生活用品の売却を行っているわけではありませんので、事業そのものでないことはすぐわかります。
また、事業用資金を得るためとはいえ、その性質上事業に付随して行われるものでもありません。
売却した後のお金をどうするかはその人の自由です。売却したのはあくまで生活用品ですので、家計に属するものとして事業にはあたらないことになります。
【生徒】
なるほど。
【先生】
今度は逆に、
「個人事業者が生活資金を得るために事業で使用していた機械を売却した」
という場合にはどうなりますか?
【生徒】
売った後のお金の用途は関係ないから・・事業かな?
【先生】
そうですね。
機械の売買を事業としてやっているわけではないので事業そのものではないですが、事業に付随して行われるものとして事業の範囲に含まれます。
【生徒】
何を売却したかによって判断すればいいんですね?
【先生】
はい。
生活用の資産を売れば、たとえそのお金を何に使おうとも家計に属する行為として事業にはならないですし、事業用の資産を売ればそのお金を生活用に使ったとしても、その売却した行為は事業となります。
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