売上の計上は、現預金の入金時に計上する現金主義と商品の引き渡しやサービスの提供が終わった時点で計上する発生主義があります。
発生主義は、お金をもらっていなくても売上代金の請求権が確定した時点で売上を計上する考え方です。
税務上も会計上も売上の計上は発生主義によるのが原則です。
しかし今回は、「現金主義によってもよいのでは?」といったケースです。
調査対象会社は設計事務所です。
●税務署
「ではまず、業務内容をお話しください」
★納税者
「おもに分譲住宅の設計業務を行っています」
●税務署
「建物の設計ということでよろしいでしょうか?」
★納税者
「いいえ、分譲住宅では開発行為が伴うものもありますので、その場合は建物だけではなく開発地の設計も請け負います」
●税務署
「なるほど」
「主たる得意先を教えてください」
★納税者
「A社とB社です」
「この2社で売上のほとんどが計上されています」
●税務署
「決済条件はどのようになっているのですか?」
★納税者
「決済条件?」
●税務署
「ええ、請求書を得意先に送っていつ入金されるかということです」
「末締め翌月末払いといった決済条件です」
★納税者
「一応、設計が終った段階で請求書は出しますが、入金はかなり遅いですよ」
●税務署
「2ヶ月後とか、3ヶ月後ですか?」
★納税者
「いいえ、半年から1年以上かかることもあります」
●税務署
「そうなんですか」
つづく
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