週刊税務調査日記

身内に対する給与(1)

第414号 2014/12/8

自分の妻や親に給与を支払うことはよくあります。

実際にそれらの身内が事業に関わっていて、その対価として相応な給与を支払っていれば問題はありません。

しかし、身内への支払は税務署からすれば、常に怪しい存在と見えるようで、調査ではよく問題にされます。

●税務署

「この給与の支払先は、社長の身内の方ですか?」

★納税者

「そうです。私の母親と父親です。」

●税務署)

「会社の役員ではないですよね?」

★納税者

「役員ではありません」

●税務署

「毎月ご両親に各々10万円くらいの支払がありますが、ご両親はどのような仕事をしているのですか?」

★納税者

「会社で作っているホームページの使いやすさをモニターしてもらっています」

●税務署

「モニターですか・・・・」

「御社がクライアントから受注して制作したホームページの出来栄えをモニターするということですか?」

★納税者

「そのとおりです」

●税務署

「失礼ですが、ご両親はおいくつですか?」

★納税者

「父親が72歳で、母親が68歳です」

●税務署

「かなりお歳ですが、モニターをしてもらって、どのようにモニターの結果を会社にフィードバックしているのですか?」

「何か報告書のようなものはあるのですか?」

★納税者

「いや報告書はないですね」

「両親と直接会ってホームページの感想を聞いたり、電話で聞いたりしています」

●税務署

「聞くだけですか・・・」

「それで毎月合わせて20万円の給料を支払っているのですか?」

★納税者

「そうです・・・」

●税務署

「普通であれば、モニターの結果を文書でもらうのではないですかね?」

「実際にモニターをしているということを確認したいのですけれど・・・・」

★納税者

「どのようにしてですか?」

●税務署

「この場でご両親に電話してもよいですか?」

                                  つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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