週刊税務調査日記

輸入業者への調査(1)

第381号 2012/1/26

海外の業者に製品製作を依頼し、その製品を輸入して国内で販売する業態はよくあります。

今回は、自転車部品を海外の業者に作ってもらって、それを輸入して国内の店舗に卸売りをしているクライアントの調査です。

●税務署

「よろしくお願いいたします」

「さっそくですが、御社の取引の概要をお聞かせください」

「まず、部品を輸入しているということですが、どこの国から輸入しているのですか?」

▲納税者

「中国がメインです」

●税務署

「日本で企画して、その図面どおりに中国の外注先の工場に部品を作ってもらって、それを輸入しているのですね?」

▲納税者

「そのとおりです」

●税務署

「輸入手続きは乙仲業者に任せているのですか?」

▲納税者

「そうです」

●税務署

「乙仲からの輸入通関書類を準備していただけますか?」

▲納税者

「綴りになっていますので、すぐに準備できます」

●税務署

「ところで商品の在庫が決算書に計上されていますが、在庫の管理はどのようにしていますか?」

▲納税者

「ダンボール単位で事務所の2階に保管してあります」

●税務署

「在庫台帳みたいなものはありますか?」

▲納税者

「在庫台帳?」

「棚卸ししたときの一覧表ならありますけど・・・」

●税務署

「日々商品の在庫がどれだけあるのかを帳面で管理していないのですか?」

▲納税者

「2階に行って在庫を見れば分かるから、帳面なんていちいち付けてないですよ」

●税務署

「そうですか・・・」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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