週刊税務調査日記

要領の悪い調査 (3)

第367号 2010/8/9

■会計事務所

「匿名組合の損失に関する取扱いはこのように規定されています」

と言って、調査官に資料を見せます。

●税務署

「ん~ 分かりました」

「これはいいでしょう」

「あ~ もう時間だ!」

▲納税者

「そうですね」

「5時前です」

●税務署

「それでは、本日の調査はこれで終わりにしたいと思います」

「しかし、この会社規模で、2日間の調査では無理です」

「日を改めてもう一度調査に伺いたいと思います」

▲納税者

「え~ これで終わらないのですか?」

■会計事務所

「2日間の調査予定とのことですから、これで終わりにしてください!」

●税務署

「この規模の会社で2日では無理です」

「まだほとんど見終わっていません」

▲納税者

「見終わっていないって・・・・・」

■会計事務所

「見終わっていないのは、調査の要領が悪かったからではないですか?」

「納税者はちゃんと対応していましたよ」

「調査官の要領の悪さで、再調査なんてダメです!」

●税務署

「我々だけの問題でなく、納税者の対応も良いとは言えませんでしたよ」

■会計事務所

「納税者の対応が悪かったから見切れなかったと言うのですか?」

★OB先生

「まぁ まぁ、社長、どうですかもう1日だけというのは?」

OB先生の発言です。何を言っているのでしょうか?

▲納税者

「もう忙しくて、とてももう1日なんか時間を取れないですよ」

★OB先生

「それでしたら社長は同席しないで、あと1日だけ調査というのは?」

●税務署

「構わないですよ」

★OB先生

「じゃあ、先生、そういうことで・・・」

というわけで、ほとんど調査中は何もしていなかったOB先生が、最後で余計なお世話をして、再調査になってしまいました。

いったいどっちの味方なのですかね?

おわり

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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