週刊税務調査日記

山小屋の調査(4)

第348号 2009/8/18

山小屋への荷揚げにヘリコプターを使っています。

調査官は、このヘリコプターの請求書を要求しています。

▲納税者

「これが請求書です」

●税務署

「1回の荷揚げで40万円ですか・・・」

▲納税者

「そうです」

「高いんですよね」

●税務署

「このヘリコプターによる荷揚げ代は、どのように経理処理していますか?」

▲納税者

「どのようにって、支払手数料で処理していると思いますが」

●税務署

「すべて経費で処理しているということですよね?」

▲納税者

「そのとおりです」

●税務署

「荷揚げした食材や商品は決算日現在で在庫としていくらかは残っていますよね?」

▲納税者

「ええ、残っています」

●税務署

「決算上、棚卸資産として計上しているものですね?」

▲納税者

「そのとおりです」

●税務署

「ヘリコプターの費用は棚卸資産に加味していないですよね?」

▲納税者

「ヘリコプターの費用を?」

●税務署

「そうです」

▲納税者

「言っているいる意味が分からないのですが・・・」

■会計事務所

「期末に残っている在庫品はヘリコプターで荷揚げしたものだから、その荷揚げ費用も在庫金額に加味する必要があると言っているのです」

▲納税者

「え~確かに在庫品を山小屋まで持って行くにはヘリの費用もかかる訳だから、その費用も在庫に加味しろというのは分かりますが、ではどのようにして在庫に加味するのですか?」

●税務署

「ヘリの費用を運んだ商品数で割って、1つあたりの費用を求め、在庫数に掛けて計算するのでしょうね」

▲納税者

「なるほど考え方は分かりますが、たいした金額にはなりませんよ」

「ほとんど商品は山で消費してしまいますから・・・」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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